世界の化粧品市場は、2022年に前年比で16パーセントを超える成長を遂げました。2021年の市場規模を製品別で見ると、スキンケアが最大の製品カテゴリーとなっており、売上高は化粧品市場全体の約41パーセントを占めています。ほかの主要な製品カテゴリーには、ヘアケア、メイクアップ、フレグランス(香水)、洗面用品・デオドラント(制汗剤)、オーラルケアが挙げられます。
ヘアケア市場は、2021年に化粧品市場全体の22パーセントを占め、メイクアップ市場の規模はそれに続く約16パーセントとなっています。スキンケアは、最も収益性の高い製品カテゴリーの一つでもあり、その収益は2026年におよそ1,880億米ドルにのぼると予測されています。市場の重要性という観点から見ると、2021時点で北アジア地域が、世界市場の約35パーセントと最大のシェアを占めていることが分かります。
化粧品大手L’Oréal(ロレアル)の拡大
世界の主要な化粧品メーカーであるL’Oréal、Unilever(ユニリーバ)、Procter & Gamble Co.(プロクター アンド ギャンブル)、The Estee Lauder Companies(エスティローダー カンパニーズ)、資生堂、Lancôme(ランコム)など、複数の多国籍企業が化粧品や美容関連製品の生産を管理しています。2021年の時点では、フランスの化粧品大手L’Oréalが世界で最もブランド価値の高い化粧品メーカーとなり、同年の売上高は約356億米ドルにのぼりました。同社が傘下に置く世界有数のパーソナル ケア ブランドL’Oréal Paris(ロレアル パリ)のブランド価値は、2022年時点でおよそ480億米ドルとなっています。
また、L’Oréalは2023年4月、オーストラリアの高級スキンケアブランドAēsop(イソップ)を約25億米ドルで買収すると発表するなど、化粧品市場におけるプレゼンスをさらに拡大しています。なお、日本を代表する化粧品メーカーである資生堂は2023年2月、2022年度のコア営業利益が約513億円で前年比88億円の増益となり、売上高は約1兆674億円で前年比5.7パーセントの増加となったと報告しました。
インフルエンサーマーケティングの影響力
化粧品業界は、Instagram(インスタグラム)やYouTube(ユーチューブ)など、ソーシャルメディアの人気上昇の恩恵を受けている業界の一つです。ソーシャルメディア上で行われるインフルエンサーマーケティングは、特定の消費者層(特に若い世代)に対して大きな影響力を持つだけでなく、美容関連製品に対する新たな需要を生み出し、化粧品ブランドと消費者の間に生じるギャップを埋める役割をも担っています。
メイクアップおよびスキンケアの解説や購入品紹介など、化粧品や美容に関する動画はYouTubeで最も人気のあるコンテンツの一つです。2023年2月時点では、Sandra Cires ArtがYouTubeで最もチャンネル登録者数の多い美容コンテンツクリエイター(インフルエンサー)となり、チャンネル登録者数は約1,640万人となっています。なお、日本で最もチャンネル登録者数の多い美容系ユーチューバーは「まあたそ」氏で、2022年5月時点での登録者数は208万人でした。まあたそ氏は、日々整形メイクや美容に関する動画を配信して人気を集めています。こうした背景から、化粧品業界各社は、変化の激しい消費者トレンドの把握やブランドイメージ向上を目的として、インフルエンサーマーケティングにより一層力を入れています。2022年には、インフルエンサーマーケティングの世界市場規模が史上最高となる164億米ドルを超えるなど、勢いは衰える兆しを見せていません。
Statistaは、記載された情報の完全性および正確性に関して一切の責任を負いません。このページに掲載されているのは一般的な情報であり、statista.comのコンテンツを翻訳し、作成したものです。和訳版と原文(英語)に差異が発生した場合には、原文が優先します。更新頻度が異なるため、本ページで紹介したデータよりも新しいデータがstatista.com上に表示される場合があります。データの二次利用権に関しては、FAQの該当項目をご覧ください。
Statistaにご関心をいただき有難うございます。ライブデモのご要望、製品の内容、アカウントの種類や契約に関する詳細など、どうぞお気軽にお問い合わせください。日本語と英語での対応が可能です。