コーヒーは、世界で最も親しまれている飲料の一つです。ホットでもアイスでも楽しめるほか、エスプレッソ、カプチーノ、カフェオレなど、飲み方のバリエーションも豊富です。数あるコーヒー豆の品種のうち、飲料用として最も流通しているのはアラビカ種とカネフォラ種ロブスタの2つです。カフェインが多く含まれるコーヒーは、眠気覚ましの王道ですが、肝がんの発生リスク低下に加え、パーキンソン病の予防、心臓の機能改善など、さまざまな健康効果も報告されています。
2020/2021年度の世界のコーヒー豆生産量は、1袋当たり60キログラム換算で1億7,500万袋を超え、過去最高を記録しました。前年度と比較すると、約650万袋の増加となります。南米は世界のコーヒー生産量の過半を占め、2022年の生産量は1袋当たり60キログラム換算で約8,200万袋となっています。
生産が拡大したのと同時に、コーヒー豆は価格の高騰が続いており、仕入れ業者や喫茶店からは悲鳴が上がっています。特にブラジル産は、通常の相場の約1.5倍にまで値上がりが加速していると報じられています。価格上昇の背景には、円安や異常気象による不作、生産国での労働者の賃上げなど、さまざまな要因が関係しているとみられます。
米国のコーヒー市場は世界最大で、その規模は2023年に約850億米ドルに達したと推定されています。日本は、米国に次ぐ世界第2位の市場規模を誇り、約350億米ドルに到達したとみられています。2022/2023年度の世界のコーヒー総輸入量は、合計で約1億3,600万袋（1袋当たり60キログラム換算）に達したとみられ、総輸出量は、1億4千万袋を超えたと予想されています。2023年時点では、米国が世界最大のコーヒー輸入国で、ドイツ、カナダ、オランダがそれに続いています。世界最大の輸出国は、ブラジル、スイス、ドイツでした。コーヒーは人気のフェアトレード商品で、持続可能性の国際認証ラベル「UTZ認証」を取得したコーヒーの生産量は、2022年に大幅に増加しました。同年の持続可能なコーヒー（サステナブルコーヒー）の生産量は、世界全体で150万トンを超えました。
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