消費財・消費動向

世界の宝飾品(ジュエリー)市場の概況と展望

2024年8月28日
| 発行元 Statista Japan
frantic00 via Getty Images
  • 高級宝飾品の世界市場規模は、2023年時点で約290億ユーロに達しました。国別にみると、中国、インド、米国の上位3か国が高級宝飾品・時計の世界売上シェアの大部分を占めています。
  • 1カラットの人工ダイヤモンドの合成にかかる費用は、2008年時点で約4千米ドルでしたが、技術の進歩によって、2023年時点では1カラット当たり400~500米ドルまで下がっています。

人類は、自己表現の手段として、宝飾品(ジュエリー)を何千年も前から身につけてきました。煌びやかなダイヤの首飾りであれ、シンプルなチャームブレスレットであれ、ジュエリーを身に着けた途端、自信が湧いてきて、より洗練された自分になれます。

高級宝飾品の世界市場規模は、2023年時点で約290億ユーロに達しました。国別にみると、中国、インド、米国の上位3か国が高級宝飾品・時計の世界売上シェアの大部分を占めています。宝飾品業界の世界売上高は、2024年の約3,110億米ドルから4年後には約3,570億米ドルに成長する見込みです。

宝飾品業界における最新の技術革新の一つとしては、ラボグロウンダイヤモンドが挙げられます。ラボグロウンダイヤモンドとは、ラボ(Lab、研究室)で作られた(Grown)人工ダイヤモンドのことで、天然ダイヤモンドと見分けがつかないだけでなく、物質として同一です。天然ダイヤモンドの価格は、2024年に入って6.4パーセント下落しており、ダイヤモンド発掘・販売世界最大手のデ・ビアス(De Beers)は、過去20年間で最悪の業績となっています。一方で、1カラットの人工ダイヤモンドの合成にかかる費用は、2008年時点で約4千米ドルでしたが、技術の進歩によって、2023年時点では1カラット当たり400~500米ドルまで下がっています。環境意識や人権問題の観点から、ラボグロウンダイヤは近い将来、天然ダイヤに取って代わる存在になるといわれています。

世界的な需要

2022年の世界の金の総需要は、約4,740トンと11年ぶりの最高水準となりました。金はさまざまな業界で需要がありますが、2023年の需要内訳では、半数弱を占めた宝飾品業界が最大部門でした。同年、宝飾品業界で使用された金の量は約2,170トンに達し、他部門の倍以上となっています。国別にみると、インドと中国が世界のゴールドジュエリー需要の大部分を占めています。

多くの人にとって永遠の愛とラグジュアリーの象徴であるダイヤモンドは、宝飾品に使われる宝石のなかでも最もアイコニックな存在です。世界のダイヤモンドジュエリー市場規模は、2022年時点では約870億米ドルであったと見積もられています。プラチナ(白金)も宝飾品によく用いられる貴金属ですが、プラチナジュエリーは近年人気が低下しています。

主な宝飾品小売企業

宝飾品小売業の世界最大手は、シグネット・ジュエラーズ(Signet Jewelers)、リシュモン・グループ(Richemont Group)、LVMHグループ(LVMH Group)の3社です。シグネット・ジュエラーズの売上の大半は、ブライダルジュエリーやファッションジュエリーの販売で構成されています。LVMHグループでは、宝飾品や高級時計が全体の売上高に占める割合は5パーセント程度で、2023年の売上は約109億米ドルに達しています。LVMHの傘下ブランドには、ブルガリ(Bulgari)、ウブロ(Hublot)、ショーメ(Chaumet)があり、2021年には有名ブランド、ティファニー(Tiffany & Co.)の買収が話題を呼びました。


Statistaは、記載された情報の完全性および正確性に関して一切の責任を負いません。このページに掲載されているのは一般的な情報であり、statista.comのコンテンツを翻訳し、作成したものです。和訳版と原文(英語)に差異が発生した場合には、原文が優先します。更新頻度が異なるため、本ページで紹介したデータよりも新しいデータがstatista.com上に表示される場合があります。データの二次利用権に関しては、FAQの該当項目をご覧ください。


タグ
消費財・消費動向 アパレル・シューズ 食品・栄養 有機・健康食品 玩具(おもちゃ) 製薬企業 小売・流通 高級品 家庭用電子機器
シェア

統計情報

グローバルなデータベースで統計とインサイトを検索

消費財・消費動向に関するその他の統計

消費財・消費動向

関連インサイト

無料トライアル

世界有数のデータプラットフォームを今すぐ無料でお試しください

詳しくはこちら
お問い合わせ

東京チームがあなたをサポートします

Statistaにご関心をいただき有難うございます。ライブデモのご要望、製品の内容、アカウントの種類や契約に関する詳細など、どうぞお気軽にお問い合わせください。日本語と英語での対応が可能です。

  • お見積もり、資料請求、その他ビジネスに関するお問い合わせ:sales.japan@statista.com
  • ログイン関連、パスワードのリセット、請求書などに関する一般的なお問い合わせ:asia.support@statista.com

水野 礼菜

スタティスタ・ジャパン株式会社

sales.japan@statista.com

月〜金 10:00〜18:00(日本時間)