エネルギー別にみる世界の年間発電量の増減

2023年4月に英国の調査会社エンバー(Ember)が発表した年次報告書「世界電力レビュー2023(Global Electricity Review 2023)」によると、2022年の世界のエネルギー発電量に占める太陽光と風力の割合は、12パーセントに達したことが明らかになりました。その他の再生可能エネルギーや原子力と合わせた割合は、39パーセントとなっています。
このインフォグラフィックは、前年比での年間発電量の増減をエネルギー別に表したものです。このデータからは、過去20年間で太陽光と風力による発電量が大幅に上昇したことがみてとれます。2022年、太陽光エネルギーは前年比で245テラワット時(TWh)増え、風力エネルギーは312TWhの増加となりました。太陽光と風力のみで、2022年の世界の電力需要増加分の8割に相当する電力を発電した計算となります。このように状況は好転しているとはいえ、世界中で増加しつつある電力需要を満たすには、石炭など化石燃料による発電がまだ不可欠なのも事実です。
2022年の世界の電力需要は平均で2.5パーセント上昇していますが、地域によって大きな差があります。前述の報告書によると、需要の伸びが最大だったのはアジア地域でした。過去7年にわたり、増大するエネルギー需要を満たす水準で、化石燃料の廃止とクリーンエネルギーへの転換を成し遂げたのは、中南米地域のみでした。