『ドラゴンボール』北米興収でジブリ超える 国内興収はジブリが優勢
2024年3月、米カリフォルニア州ハリウッドで第96回アカデミー賞授賞式が行われ、スタジオジブリ最新作『君たちはどう生きるか』が長編アニメーション映画賞に選ばれました。現在83歳の宮崎駿監督は、同賞の最高齢受賞者で、2003年にも『千と千尋の神隠し』で長編アニメーション映画賞を受賞しています。
3月初めには、同じく日本アニメ界の巨匠として知られる鳥山明さんが、急性硬膜下血腫で亡くなりました。鳥山さんの『ドラゴンボール』シリーズは、日本史上最も売れた漫画のひとつで、TVアニメ化&長編映画化され、全盛期の1990年代はもちろん、21世紀を通じて全世界で一大ブームを巻き起こした作品です。
日本アニメ界を代表する2大巨匠の作品の歴代興行収入を比較したところ、興味深い結果が得られました。宮崎監督およびスタジオジブリの作品がアニメ映画の国内歴代興行収入ランキングで上位を占めているのに対し、鳥山さんの『ドラゴンボール』シリーズは、北米のアニメ市場で優勢であることがわかったのです。
邦画アニメの歴代国内歴代興行収入をみると、上位6作品中3作品がスタジオジブリとなっています。上位から2001年公開の『千と千尋の神隠し』、1997年公開の『もののけ姫』、そして2004年公開の『ハウルの動く城』です。なお、これらのアニメ映画は、実写映画含む邦画の国内歴代興行収入においても、上位入りを果たしています。
アニメ映画を除くと、2003年に公開された『踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』が7位に入っており、実写邦画としては歴代1位となっています。また、洋画を含む国内歴代興行収入ランキングでは、『タイタニック』、『アナと雪の女王』、『ハリーポッターと賢者の石』がトップ10入りしています。
一方、北米市場(米国とカナダ)のアニメ映画歴代興行収入ランキングで最上位に食い込んだスタジオジブリ作品は、2010年に公開された米林宏昌監督の『借りぐらしのアリエッティ』で、順位が8位、興行収入が1,920万米ドルとなっています。その一方で、2018年と2022年に公開された『ドラゴンボール超』の劇場版2作品は、4位と6位にランクインしています。興行収入は、それぞれ約3,100万米ドルと約3,800万米ドルにのぼります。ほかにも北米で人気の日本のアニメ映画には、『劇場版 ポケットモンスター』シリーズや、7位の『劇場版 遊☆戯☆王』、11位と13位入りを果たした『僕のヒーローアカデミア』、15位の『劇場版 デジモンアドベンチャー』が挙げられます。