世界のEC市場で圧倒的に優勢な中国
世界のEC(電子商取引、eコマース)市場で圧倒的に優勢なのは中国です。eCommerceDBのデータによると、中国小売業界におけるEC売上高は2023年に約2.2兆米ドルに達し、世界第1位となりました。第2位はEC売上高が9,810億米ドルに到達した米国で、3位は1,570米億ドルの英国でした。日本は、韓国に次ぐ世界第5位に位置しています。eCommerceDBの「EC売上高」とは、物販系BtoC(企業対消費者取引)ECの売上高を指し、付加価値税(VAT)が含まれます。
巨大な国内市場を有する中国ですが、近年は世界のEC市場での足場固めを図っています。中国発のEC企業は、海外向けプラットフォームを次々と展開しており、直近ではPDDホールディングス(PDD Holdings)のECサイト、ティームー(Temu)の人気が世界的に高まっています。同サイトの売上高は、2022年に1,305億6千万元(約170億米ドル)に達しました。アリババ(Alibaba、阿里巴巴)は、ティームーよりも前からアリエクスプレス(AliExpress)でグローバル展開に着手しています。安価な中国製品を購入できる類似のサイトとしては、2010年に米国で設立された越境ECサイトのウィッシュ(Wish)があります。
ECとは、インターネット上で行われる物やサービスの取引のことです。ECの事業モデルは、取引形態に応じてBtoB(企業間取引)、BtoC(企業対消費者間取引)、CtoC(消費者間取引)に分類されます。