英語能力指数世界ランキング 日本は過去最低の87位
英語力は、転職活動を有利に進めたり、海外で事業を成功させたり、インバウンド観光を増やしたりするうえで重要なスキルになりつつあります。語学学校運営企業のEF(エデュケーション・ファースト)は、世界各国の成人の英語能力レベルをまとめた「英語能力指数(English Proficiency Index)」ランキングを毎年発表しています。上位には多くの欧州諸国がランクインしており、下位には英語以外の旧宗主国の言語(フランス語、スペイン語、ポルトガル語など)を公用語とする発展途上国が名を連ねています。
しかし、アジアひとつとっても、英語能力が「非常に高い国」から「非常に低い国」まで実にさまざまです。ここからは、各国の順位とその背景について詳しくみていきましょう。
2023年のランキングで1位に輝いたのは、欧州北西部の国オランダです。2位は、800点満点中631点を獲得したシンガポールで、アジア上位のフィリピン(578点)、マレーシア(568点)、香港(558点)に大きく水をあけています。シンガポールの英語能力の高さは、移民が多く、経済が発展していることに起因しています。
一方で、中国は英語能力が比較的「低い国」のひとつで、ランキング82位に位置しています。改革開放が功を奏し、経済的・文化的に急速な発展を遂げた中国ですが、農村部に人口が多く、言論統制によって海外への関心が低いことが、英語能力の低さにつながっています。なお、過去最低の87位だった日本では、成人の英語能力が過去10年間低下し続けていることがわかりました。東アジア地域全体を見ても、英語能力が4年連続で下がっています。さらに深刻なのは、タイの英語事情です。世界中から旅行客が押し寄せる観光大国にもかかわらず、世界ランキングでは101位と、英語能力が「非常に低い国」に格付けされています。