難民の受け入れ数が最も多い国
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の推計によると、UNHCRまたは国連パレスチナ難民救済事業(UNRWA)が支援対象者と認める難民の数は、2023年半ばの時点で約3,650万人に上りました。
難民を最も多く受け入れている国の大半は、戦争や紛争に見舞われている国や地域と隣接しています。2021年時点で79万8,343人だったイランの難民受け入れ数は、主に隣国アフガニスタンからの流入増加により、2022年には342万5,091人に急増しました。人道支援団体のコンサーン・ワールドワイド(Concern Worldwide)は、同じ年にイランが難民の認定基準を変更し、不法滞在となっていた避難民にも滞在許可を与えたことが、受け入れ人数の急増につながったと指摘しています。トルコの状況もイランと似ており、自国で受け入れている合計約340万人の難民のうち、およそ330万人が隣国シリアの出身者です。
なお、難民の出身国として最も多かったのはシリアで、650万人が避難民としての生活を強いられています。ほかにも、アフガニスタンから610万人、ウクライナから590万人、南スーダンから220万人が避難しています。このデータに含まれているのは、国連(UN)によって避難を余儀なくされたと認定された難民のみであり、実際の人数はこれより多いと考えられます。