2023年はハイテク大手7銘柄が大躍進
2022年は、「ビッグ・テック」または頭文字を取ってGAMAMと呼ばれる米テック大手5社(グーグル(Google)、アップル(Apple)、メタ(Meta、旧Facebook)、アマゾン(Amazon)、マイクロソフト(Microsoft))とその株主にとって悲惨な結果に終わりましたが、翌年には株価が大幅に回復しました。ビッグ・テックには、電気自動車を手がけるテスラ(Tesla)と半導体メーカーのエヌビディア(Nvidia)が新たに加わり、GAMAMやGAFAMといった頭字語(アクロニム)が使えなくなったことから、英語圏では「マグニフィセント・セブン(Magnificent Seven、華麗なる7社)」という表現が使われはじめています。
2023年のハイテク大手7銘柄の成績は、市場平均を大きく上回りました。特筆すべきはエヌビディアで、同社の株価は約240パーセントという驚異的な上昇率を達成しています。AI(人工知能)とLLM(大規模言語モデル)ブームを受け、収益が2023年第3・4四半期にそれぞれ101パーセントと206パーセント増加したことがその主な要因です。2022年にメタバース事業の不振で株が暴落したメタは、2023年には3倍近く株価が上昇し、2021年のピーク時の水準に近づいています。
2023年に株価が総体的に大幅に上昇したとはいえ、大手7社のうち3社は本調子にあるとは言い切れません。テスラ、アマゾン、アルファベット(Alphabet、グーグルの親会社)は、2023年の年末時価評価額が2021年を下回っており、なかでもテスラは、ピーク時と比べて30パーセント低い評価額に留まっています。