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FTXの破綻に揺れる仮想通貨市場

2023年02月11日 | 発行元 Statista Japan
仮想世界で取引される金色のビットコイン(BTC)のイメージ画像。
Jirapong Manustrong via Getty Images
  • FTXの経営破綻をきっかけに、米国内では暗号資産(仮想通貨)事業者の規制強化の機運が高まっており、米上院銀行委員会や米議会からも仮想通貨関連法の策定を求める声が上がっています。一方、日本は過去の不正資金流出事件などを受けて規制を強化しており、日本の顧客がFTXジャパンに預けている資金は返還される模様です。
  • FTX騒動から約1ヵ月で仮想通貨の時価総額は2兆米ドル以上減っており、FTXと関連が深い銘柄は軒並み下落、市場では仮想通貨に対する関心が薄れています。
  • 仮想通貨交換業大手のBinance(バイナンス)は日本の交換業者を買収し、日本に参入することを発表しました。日本国内では仮想通貨の取引だけはなく、ブロックチェーン技術を活用したビジネスの展開を目指すと見られています。

2022年末の大手仮想通貨取引所FTXの破綻は、仮想通貨市場に強い下落圧力をかけました。ビットコインを始めとする仮想通貨は軒並み値下がりし、多くの仮想通貨が30日安を記録した上、仮想通貨市場の時価総額も2兆米ドル以上減少しました。

このページでは仮想通貨全体をカバーしていますが、Statista(スタティスタ)にはBitcoin(ビットコイン、BTC)Ethereal(イーサリアム、ETH)Terra (LUNA)とTerraUSD (UST)に特化したページなどもあります。

Statistaによるこのインフォグラフィックは、米国の回答者のうち、2020年と2022年に暗号通貨(仮想通貨)に投資した/投資する予定があると回答した人の割合を示しています。
暴落でも衰え知らぬ仮想通貨人気 Source: statista.com

FTX騒動とアラメダショックの反響

FTXとその取引会社Alameda Research(アラメダ・リサーチ)の破綻は、仮想通貨市場全体に大きな影響を与えています。ETHの価格は投機意欲の萎縮と取引量の大幅な増加により下落しました。取引量の増加は、FTXから流出した22万8500ETH(4億米ドル以上)が市場に投下されたからだと見られています。ETHの大規模な変動(ボラティリティ)はDeFi(分散型金融)市場にも影響を及ぼし、ETHブロックチェーン上の分散型金融の預かり資産であるTVLは数十億米ドル減少しました。さらに、FTXの破綻は、投資銀行Genesis(ジェネシス)、融資業のBlockFi(ブロックファイ)の破綻へと連鎖しました。

Statistaによるこのインフォグラフィックは、2017年から2022年までのビットコイン(BTC)の価格を示したものです。
ビットコインの盛衰興亡 Source: Statista.com

FTXの破綻により多くの顧客が資産を回収できない事態を受け、米国内では仮想通貨に関連する法律の策定を求める声が上がっています。一方、日本は既に規制を強化しており、日本の顧客がFTXジャパンに預けている資金は返還される模様です。そんな中、FTXが発行するFTTを全額売却することで破綻を後押ししたバイナンスは、日本に参入することを発表しました。日本国内では仮想通貨交換業だけでなく、ブロックチェーンに関連するビジネスも展開していくと見られています。バイナンスは世界最大の仮想通貨取引所です。

BTCの採掘(マイニング)を行うハッシュ化の能力を国別で見ると、2021年6月までは中国が1位でしたが、その後は米国が台頭しています。

Statistaによるこのインフォグラフィックは、暗号通貨(仮想通貨)が禁止または規制されている国と地域(2021年11月時点)を示しています。
仮想通貨を規制する国々 Source: statista.com

数多ある仮想通貨

仮想通貨といえばBTCやETHが代表的なものですが、2022年末までには市場に約1万銘柄が流通しているとも試算されています。ただし、仮想通貨市場に影響を与えるような時価総額を持つものはごく一部です。主要仮想通貨以外には、2021年にElon Musk(イーロン・マスク)氏のツイート後に価格が急騰したDogecoin(ドージコイン、DOGE)や、2022年に発行量が大幅に増加し市場をクラッシュさせかけたLUNAなどがあります。また、米ドルなどの法定通貨(フィアット、FIAT)と連動するステーブルコインである、Tether(テザー、USDT)やUSD Coin(USDC)などの市場規模も拡大しています。


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