現在、時価総額が世界最高として知られる企業の一部は、Steve Jobs(スティーブ・ジョブス)やElon Musk(イーロン・マスク)、Mark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)といった影響力のある実業家が立ち上げた小さなスタートアップ企業が大きく成長したものです。ユニコーン企業(企業評価額が10億米ドルを超える非上場企業)の数が世界で最も多いのは、中国と米国ですが、中南米地域もスタートアップ企業が最も活発に活動している地域の一つです。一方で、日本や台湾はスタートアップ企業で働く人の割合が少ないことで知られています。
日本には2022年11月時点で11社のユニコーン企業が存在し、日本で初のユニコーン企業となったMercari(メルカリ)や、機械学習・深層学習(ディープラーニング)を手がけるPreferred Networks(PFN、プリファードネットワークス)、情報アプリを開発するSmartNews(スマートニュース)などが主に挙げられます。なお、2023年1月には、日本のユニコーン企業であるSmartNewsが主に米国の拠点で大幅な人員削減を行うことが一部メディアで報じられ、話題となりました。一時解雇の対象となったのは、海外拠点で働く従業員の40パーセントに当たる約120人とみられており、景気後退が懸念されていることから、人員削減でコストを下げることが狙いであると考えられています。
世界で最も企業価値が高いスタートアップ企業
新しいスタートアップ企業は、日々世界中で創業されています。一方で、成功する事業アイデア1つに対して、事業に失敗するスタートアップが無数に存在するのも事実です。企業評価額が高いスタートアップ企業は「ユニコーン企業」と呼ばれており、とらえどころのない存在であることから、この名がつけられたと考えられています。2023年4月時点では、世界で最も企業価値が高いスタートアップ企業は、動画投稿アプリのTikTok(ティックトック)を所有する中国のテック企業ByteDance(字節跳動、バイトダンス)でした。なお、 ByteDanceは2023年4月、前年のEBITDA (利払い・税金・減価償却・償却控除前利益) が過去最高の250億米ドルとなったと発表しました。これによりByteDanceの収益は、同じく中国のテクノロジー大手Tencent(腾讯 、テンセント)やAlibaba Group(阿里巴巴集团 、アリババグループ)の収益を初めて上回ったとみられています。さらに、企業価値が世界一のユニコーン企業の大半は、中国または米国に本社を置いていることがわかっています。米国に本社を置くユニコーン企業は、中国に本社を置く企業の倍以上ありますが、最も企業評価額が高い中国のユニコーン企業には、米国のユニコーン企業の約2倍の価値があるとみられています。
イグジット(投資資金の回収)するユニコーンが最も多い地域
ユニコーン企業が上場して企業株式を売却したり、他企業に買収されたりすることを、イグジット(投資資金の回収)と呼びます。北米に拠点を置くユニコーン企業のイグジットの数は、2021年までは前年比で右肩上がりとなっていましたが、2022年に入って急激に減少しています。アジア太平洋地域のユニコーン企業のイグジット数は、2018年にピークを迎えて以降、増えていません。そんな中、香港の旅先体験予約サイトKlook(クルック)は2023年5月、翌年に米国市場への上場を計画していることを発表しました。2014年に創業した同社は、2023年下半期におよそ2億ドルの資金調達に成功し、2024年のイグジットで3億~4億米ドルを調達する予定であるとみられています。なお、イグジットの数には北米とアジア太平洋地域で大きな差があるにもかかわらず、過去10年半のユニコーン企業のイグジット総額は、両地域ともに高い水準となっています。
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