消費財・消費動向

景気後退でも拡大が予測される個人向け高級品市場の展望

2023年6月14日 | 発行元 Statista Japan
高級バッグやハイブランドの靴に囲まれてソファに座る女性。
MoustacheGirl via Getty Images
  • 2023年4月、高級ブランドHermès(エルメス)を展開するフランスのHermes International(エルメス・インターナショナル)は時価総額が初めて2千億ユーロを超え、スイスの製薬大手Novartis(ノバルティス)を上回ったことが明らかになりました。 
  • フランスのKering Group(ケリンググループ)は、2023年2月に公開した前年第4四半期決算で、売上高が7パーセント減少したと発表しました。中国における新型コロナウイルス感染拡大によって、主力ブランドであるGucciの販売が落ち込んだことが原因とみられています。 
  • スイスのラグジュアリー大手Richemond(リシュモン)は2023年5月、3月通期で売上高が22パーセント増という、株式アナリストの予想を上回る業績を発表しました。 

個人向け高級品市場は、高級車市場に次いで高級品業界で第2の規模を誇る市場です。個人向け高級品とは、高級ブランド服やアクセサリー、時計、宝飾品、メガネなどのことで、新型コロナウイルスのパンデミックによる低迷期を除けば、その市場規模は過去10年にわたって徐々に拡大を続けています。 

高級ブランドHermès(エルメス)を展開するフランスのHermes International(エルメス・インターナショナル)は、2023年4月に時価総額が初めて2千億ユーロを超え、スイスの製薬大手Novartis(ノバルティス)を上回ったことが明らかになりました。中国のゼロコロナ政策が終結したことで、高級ブランドの需要が回復しつつあることから、ラグジュアリー業界は現在懸念されている景気後退にも耐えうるとの見方が投資家に広まっているとされます。  

国単位では、2020年に高級品市場の売上高が650億米ドルに達した米国が、世界の個人向け高級品市場を牽引する存在となっており、中国がそれに続いています。なお、2025年においても、米国の個人向け高級品市場は世界最大の売上高を維持すると予想されています。また、高級品消費額の点からみても、アメリカ国民は世界最大の消費者グループとなっています。 

業界大手と製品カテゴリー 

個人向け高級品業界では、ファッションとアパレル商品が収益において最大のシェアを占めており、アパレルとフットウェアを含む高級ファッション部門は、2028年までに1,300億米ドルを超える収益をもたらすと予測されています。 

とはいえ、個人向け高級品業界を代表する大手企業の業績においては、アパレルのみならず、さまざまな高級品が売上を牽引しているのが現状です。フランスを代表する高級ブランドのLVMH(モエ ヘネシー ルイ ヴィトン)の売上をみると、ファッションと革製品が全体に占める割合が最大となっていますが、スイスのファッション・宝飾品ブランドのRichemont (リシュモン)の場合、ジュエリーが年間売上の40%以上を占めています。 

また、パリに本社を置くKering Group(ケリンググループ)が2021年に計上した売上の半分を占めたのは、革製品でした。同グループの傘下にあるブランドには、Gucci(グッチ)、Bottega Veneta(ボッテガ・ヴェネタ)、Balenciaga(バレンシアガ)、Saint Laurent(サン・ローラン)などがあります。なお、Kering Groupは、2023年2月に公開した前年第4四半期決算で、売上高が7パーセント減少したと発表しました。中国で新型コロナウイルスの感染が拡大したことで、主力ブランドであるGucciの販売が落ち込んだことが原因とみられています。

このインフォグラフィックは、過去10年間で最も価値が上昇した高級品ランキングを示したものです。
Source: statista.com

高級品の販売チャネルとしてのEコマース 

ラグジュアリー業界において、顧客一人ひとりに合わせたサービスを提供することを指す「パーソナリゼーション」や顧客の要望にできる限り対応することを意味する「クライアンテリング」、そして「店舗でのリテール体験」といった要素は、一般大衆向けの小売業との差別化を図るうえで重要な役割を担ってきました。店舗販売チャネルが市場価値に占める割合は引き続き最大となっていますが、それにとって代わるラグジュアリー商品の販売チャネルや事業モデルが急激に成長しつつあります。 

2021年には、個人向け高級品のオンライン販売市場価値が推定620億ユーロであったと推定されており、高級品業界で活動する企業の多くがオンライン販売チャネルに参入したことが、この傾向を後押ししていると考えられています。たとえば、Kering Groupのオンライン販売の割合は、過去3年間で売上全体の7パーセントから15パーセントに増えており、Richmond Groupのオンライン販売企業の売上は、2021年に20億ユーロを超えています。同グループは、Watchfinder(ウォッチファインダー)やYoox Net-a-Porter(ユークス・ネッタポルテ)といった高級品や高級時計のオンラインマーケットプレイスを傘下に収めています。なお、Richemondは2023年5月、3月通期で売上高が22パーセント増という株式アナリストの予想を上回る業績を発表しました。中国における宝飾品と時計販売が好調だったことが急成長の背景にあるとみられ、営業利益も34パーセント増えた50億3千万ユーロとなっています。 

そして近年、高級品をよりサステナブルな方法で生産・消費するための取り組みが求められていることから、収益性の高いリユース市場(中古市場)が実現可能な代替市場として浮上しています。2021年には、高級品リユース市場の規模が330億ユーロに達したと推定されています。 


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