2022年 世界で最も価値のある高級ブランドランキング

2022年、シャネル（Chanel）はすべての高級ブランドの中で3番目に価値のあるブランドとなり、そのブランド価値は、約530億米ドルであったとされています。 

ラグジュアリーとしての高級品 

ドリンクやファッション、コスメ、香水、時計、ジュエリー、トランクケース、ハンドバッグなど、多岐にわたる商品を手がける世界の高級品産業は、長年成長を続けています。「高級品」という言葉は、商品の品質の良しあしとは無関係であるにもかかわらず、多くの場合、品質と価格の点で市場において最高級の商品であると考えられています。高級品メーカーは、ブランドや美的感覚、高品質の素材、優れた職人技、価格設定に焦点を当て、日用品をステータスシンボルに変えることで消費者の需要に応えています。 

ラグジュアリー業界は、景気の浮き沈みとともに成長と衰退を繰り返す業界であるとされ、その需要は経済が安定している期間は高まり、景気が後退すると急激に落ち込むことで知られています。米国は長年にわたり、世界の高級品業界において最大の市場であり、2020年も個人向け高級品市場を牽引していくとみられています。同年、米国の個人向け高級品市場規模は、550億ユーロに達すると推定されています。 

世界で最も価値のある高級品ブランド 

フランスの高級品コングロマリットであるルイ ヴィトン モエ ヘネシー（LVMH）は、2022年のブランド価値が約1,243億米ドルとなり、世界で最も価値のある高級ブランドとなりました。2022年度の同グループの総売上高は、約792億ユーロとなっています。創業者の名を冠したメゾンのルイ・ヴィトン（Louis Vuitton）で知られるLVMHは、高級革製品やハンドバッグ、プレタポルテ（高級既製服）、その他のファッションアクセサリーを販売し、世界的に事業を展開しています。1989年からは、フランス人のベルナール・アルノー（Bernard Arnault）氏が、Louis Vuittonと、シャンパンメーカーのモエ・エ・シャンドン（Moët & Chandon）、コニャックメーカーのヘネシー（Hennessy）を合併させ、経営を務めています。 

高級品業界のこれから 

高級品業界は、新しい市場の開拓やこれまでにない部門の開発による成長が期待されています。高級品メーカーにとっての課題は、ブランドがもつ資産価値（ブランド・エクイティ）を維持し、顧客との関係を深めることです。ラグジュアリーがより多くの産業に拡大するにつれて、市場は成熟してセグメント化されることが予想され、消費者の購買行動もより合理的になっていくであろうと考えられています。