消費財・消費動向

ベトナムのアパレル産業とコロナ収束後の課題

2024年9月2日
| 発行元 Statista Japan
DragonImages via Getty Images
  • ベトナムは近年、衣料品輸出大国として存在感を高めており、2023年の輸出額でみると、繊維製品が主要輸出品目のひとつに入っています。 
  • ベトナム繊維協会(VITAS)によると、繊維産業への海外直接投資(FDI)流入額は、2024年時点で370億米ドル以上に達したとみられています。 

ベトナムは近年、衣料品輸出大国として存在感を高めており、2023年の輸出額でみると、繊維製品が主要輸出品目のひとつに入っています。ベトナムは、高い農業依存度の引き下げに取り組んでおり、製造業が経済成長を支える重要な柱として注目されています。また、国民の生活水準が向上したことで、衣類や靴への消費支出も年々増加しています。 

ベトナムの繊維産業 

安価な熟練労働力で競争優位に立つベトナムの製造業には、海外直接投資(FDI)が集中しています。ベトナム繊維協会(VITAS)によると、繊維産業へのFDI流入額は、2024年時点で370億米ドル以上に達したとみられています。FDIセクターは、ベトナムの繊維輸出の約65パーセントを占めており、主な投資国・地域は韓国、台湾、香港、中国となっています。なお、衣料品の内需拡大に対しては、国内生産と輸入で対応しているのが現状です。 

近年では、衣類の製造に必要な素材の供給が需要に追いついておらず、綿花、繊維、糸、織物の大半を輸入に頼っています。ベトナムは、綿花生産国であるにもかかわらず、生産量の減少により、純輸入国となっています。2023年8月から2024年2月までの期間では、オーストラリアからの綿輸入量が最大でした。 

輸入への過度の依存は、繊維産業にとって大きなリスクとなります。ベトナム政府は、内需の高まりと共に、繊維・衣服・革・靴製造業向けの国産原材料のサプライチェーン構築を最優先事項に掲げています。 

コロナ収束後の課題 

2023年は、多くの国が厳しい経済的試練に直面した年でした。ベトナムの繊維製品の主な輸出先である米国や欧州でも、インフレが原因で需要が急激に落ち込みました。その影響もあり、2023年の繊維輸出額は、前年比9.2パーセント減となっています。 

こうした厳しい状況下にありながらも、ベトナムは、サステナブル(持続可能)な製造工程の構築や技術投資、中東・アフリカ地域への市場拡大といった、野心的な成長目標を掲げています。しかし、同国のアパレル産業がこの苦境を乗り越えられるかどうかは、依然として不透明な状況です。物価高騰や景気後退が、将来の展望に深刻な影響がおよぼす可能性は否定できません。 


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