消費財・消費動向

【SNSが主流】Z世代のネットショッピング利用実態を深堀り

2023年11月22日
発行元 Statista Japan
黄色い背景、笑顔で笑うZ世代の若者たち。
Kar-Tr via Getty Images
  • 2023年5月に発表された調査によると、2022年に約5,267億2千万米ドルだった世界のライブコマース市場は、2028年には約2兆7,900億米ドルに成長すると予測されています。 
  • Z世代の消費者の40パーセント以上は、「セールや割引」が衝動買いを促す最大の要因であると考えています。また、セール品でない場合は安くなるまで購入を延期する若者も少なくありません。 

Z世代(ジェネレーションZ)は、ミレニアル世代に続く世代コホートです。年齢層について明確な定義がなされているわけではありませんが、一般的には1990年代半ばから2010年代初頭に生まれた世代を指します。 

スマートフォンやソーシャルメディア(SNSなど)をはじめとする最先端技術が急速に発達した時代に生まれたZ世代は、デジタルネイティブかつソーシャルネイティブであり、最新のテクノロジーを活用し、デジタル環境で活躍する力をもっています。ソーシャルメディアやモバイル端末を自由自在に使いこなすZ世代のITリテラシーの高さは、ネットショッピングやオンライン決済をシームレスかつ直感的に利用していることからも明らかです。 

SNSが変えたeコマース

Z世代は、SNSが台頭した時代に生まれ育ったという点で、それまでの世代と大きく異なります。Z世代はSNSをヒトと交流するプラットフォームとしてだけでなく、ネットショッピングの情報収集ツールとして活用しています。事実、Z世代が気になるブランドや商品の情報収集に使う主なツールは、グーグル(Google)などの検索エンジンではなく、SNSであることがわかっています。 

また、若い世代の消費者はネット上の口コミを重要視します。インフルエンサーは、商品やブランドの主な情報源としてZ世代の若者からの信頼と共感を集めることに成功し、その地位を確立しています。 

価格重視の世代

Z世代のオンライン購買行動に関するデータをみると、ファッションおよび電子製品最も売れ筋の商品カテゴリーであることがわかります。しかし、これら2つの商品カテゴリーにおけるZ世代の購入率は、依然としてミレニアル世代やX世代よりも低いのが現状です。理由としては、若い世代のため財源が限られていることや、経済が不安定な時代に生まれ育ったため購入に慎重であることが考えられます。 

Z世代にとってのネットショッピングの主な利点とは、単なる利便性やエンターテインメント性ではなく、価格の比較が容易なことです。Z世代がeコマースを利用するのは、安価な商品を求めているからです。こうした風潮は、ユーザー限定割引や、商品の魅力を伝えるライブ配信で知られるライブコマース(Live Commerce)のような新しいオンラインでの販売形態にも広がっています。 

2023年5月に発表された調査によると、2022年に約5,267億2千万米ドルだった世界のライブコマース市場は、2028年には約2兆7,900億米ドルに成長すると予測されています。ライブコマースの世界市場は、 2023年から2028年にかけて年平均成長率約32パーセントで拡大するとみられています。 
 
Z世代は、ネットショッピングをする際に価格の安さと費用対効果を優先するため、セールや割引に特に強く反応すると考えられています。Z世代の消費者の40パーセント以上は、「セールや割引」が衝動買いを促す最大の要因だと考えています。また、セール品でない場合は、安くなるまで購入を延期する若者も少なくありません。Z世代の約3分の2が「購入前にセールや割引になるのを待つ」と回答しており、「急いては事を仕損じる」のことわざを体現するかのようなZ世代の忍耐力が表れています。 

このインフォグラフィックは、欧州のZ世代がデジタル体験において求めるものを示したものです。
出典元:statista.com

より良いショッピング体験を望むZ世代

Z世代が求めているのは、自身の興味・関心や好みに合わせてカスタマイズされたショッピング体験です。Z世代の若者は、おすすめ商品が表示されるパーソナライズ機能をeコマースで最も重要な要素のひとつと捉えています。また、ミレニアル世代と同様に、リアル店舗とネットを融合させたVR(仮想現実)やAR(拡張現実)を活用したショッピング体験に強い関心を抱いていることがわかっています。2022年に行われた調査によると、Z世代の消費者の10人中9人近くが、VR・ARで家具や装飾品を部屋に試し置きしたり、新しい服や靴、アクセサリーを試着したりできるVR・ARショッピング体験に関心を示しています。 
 
Z世代は、パーソナライゼーション、競争力のある価格設定、そして持続可能性の3つの条件をブランドに求めるとされ、D2Cブランド(中間業者を挟まずソーシャルメディアや自社サイトを通じて販売する手法)にとっては理想的な競争環境が生まれています。2022年には、Z世代の買い物客の70パーセント以上が前述の条件を満たすブランドから商品を購入しており、その割合はほかのどの世代よりも高かったことがわかっています。Z世代の消費者は、流行の仕掛け人としてeコマースの未来を形作っていくと考えられています。 


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水野 希更

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