今や最も人気が高く、効果的なオンラインマーケティング手法の一つとなったインフルエンサーマーケティング。ソーシャルメディア(SNS)上では、毎日数百万人を超える全世界のユーザーがエンタメ系コンテンツや新しいアイデア、製品紹介などを検索しています。そのため、マーケターがソーシャルメディアで最も高い認知度を誇るインフルエンサーたちを自社ブランドのプロモーションに活用するのは、当然のことといえるでしょう。
インフルエンサーマーケティングの世界市場規模は、2022年時点で164億米ドルとなっており、2019年から2倍以上に成長しています。また、インフルエンサーマーケティングの日本国内市場規模は、2023年には741億円になると推定され、前年比で126億円の増加になるとみられています。インフルエンサーマーケティングが業界として成熟するにつれて、こうしたサービスを提供するプラットフォームの規模と価値も年々増加しており、ブランドとクリエイターとのコラボレーションは、これまでにないほど有益性の高い関係になりつつあります。
一方で、インフルエンサーに対する法的規制に着手し始めた国も存在します。フランスのブリュノ・ル・メール経済・財務・産業・デジタル主権大臣は、2023年4月にTwitterで、ビジネスインフルエンサーへの対応がフランス政府内で審議されていると発表しました。フランスでは、インフルエンサーマーケティングに対してテレビやラジオ、街頭での商業宣伝と同じルールが適応されるとみられ、消費者保護に向けたこうした法規制は「ステルスマーケティング規制」といった形で日本でも導入されていくと予想されます。
ショート動画フォーマットが大流行のTikTok
近年、ソーシャルメディアの舞台に新たに登場した動画共有アプリのTikTok(ティックトック)ですが、すでに信頼性のあるマーケティングチャネルとしての立場を確立しています。TikTokマーケティングが魅力的な理由としては、驚異的なダウンロード数、オーディエンスへのリーチの広さ、インフルエンサーコンテンツの圧倒的なエンゲージメント率(特にZ世代のユーザーの場合)などが挙げられます。企業は、Bella Poarch(ベラ・ポーチ)氏のようなメガインフルエンサー(フォロワー数が100万人以上)と連携することで、認知度を広げ、最先端のトレンドをキャッチし、数百万人もの若い潜在顧客に自社ブランドを知ってもらうことができるのです。
なお、2022年に世界で最もフォロワー数の多かったTikTokクリエイターは、1億5,500万人のファンを抱えるKhabane Lame(カベンネ・ラメ)氏でした。また、2023年4月時点で、日本一フォロワー数が多かったTikTokインフルエンサーは、4,300万人のフォロワーを抱えるJunya/じゅんや(@junya1gou)氏です。じゅんや氏の投稿には、体を張った一発芸系の動画が多く、類似したフォーマットの動画を投稿しているのが特徴的です。 彼のようなメガインフルエンサーのリーチの広さ(=フォロワー数)は圧倒的ですが、一方で、メガインフルエンサーを超えるエンゲージメント率を誇るマイクロインフルエンサー(フォロワー数1万人~10万人)も、TikTok上で大きな影響力をもつ存在であるとみられています。TikTok人気は世界中で広がりを見せており、Z世代ユーザーの購買力が年々上昇しつつある今、TikTokインフルエンサーの動向からは目が離せません。
インフルエンサーにとって使い勝手の良いInstagram
TikTokへのマーケターの期待が高まりつつあるなか、Instagramは世界的にみても、依然としてインフルエンサーマーケティングの主要なプラットフォームとなっています。インフルエンサーを発掘するためによく使われるツールとされているだけでなく、企業はこの動画共有アプリのMessenger機能を使用し、パートナー候補に直接連絡することができます。
また、Instagramでは、画像やタグ、ストーリー、リールなど、クリエイターがブランドの商品やサービスをプロモートするためのさまざまな投稿用フォーマットが用意されています。さらに、ダイレクトリンクや専用のショッピングタブを介してユーザーをブランドサイトへと誘導する機能があることからも、ブランドとの連携に注力していることが見てとれます。2021年には、ブランドがスポンサーしたインフルエンサーの投稿が300万件を突破し、世界のInstagramインフルエンサー市場規模は138億米ドルに達しました。
不動の人気を誇るYouTube
長尺の動画コンテンツといえば、誰もがはじめに思い浮かべるソーシャルメディアはYouTubeでしょう。数百万人ものインターネットユーザーが、音楽動画やチュートリアル動画、ブイログ動画などをプラットフォーム上で閲覧していることから、YouTubeはマーケターにとって最適の広告ツールとして認識されるようになりました。2020年には、YouTubeでのインフルエンサー マーケティングの市場規模が推定で66億米ドルを超えたとされており、前年の55億米ドルから増加しています。
ほかのSNSとYouTubeとの大きな違いは、動画の長さで、ユーチューバーの中には、30分あるいは1時間にも及ぶ尺の動画にプロモーションコンテンツを埋め込む人もいます。こうした動画は製作費が高額になりがちなうえ、PewDiePie(ピューディパイ)のようなメガインフルエンサーは1億人単位のフォロワーがいることから、YouTubeのスポンサー動画の費用相場は最高で1万6千ドルに達する場合もあります。
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