2010年～2024年 世界自動車年間販売台数

2023年の世界の自動車販売台数は、前年から増加して約7,530万台に達しました。2020年と2021年にかけて世界経済が減速したことで、自動車産業は下降傾向にありました。さらに2022年には、新型コロナウイルス感染症のパンデミックやロシアのウクライナ侵攻が、自動車向け半導体産業の供給不足を招き、サプライチェーンの混乱がさらに進みました。課題は山積みですが、新車販売台数は2024年も増加する見込みです。

新型コロナウイルス感染症が自動車需要に与えた打撃

コロナ禍以前は、自動車販売台数が全世界で8千万台に達する勢いであると推定されていました。2023年の新車販売台数は、8千万台には遠くおよびませんが、初めてコロナ禍前の水準を上回りました。とはいえ2023年も、自動車産業にとって苦難続きの1年となり、北米でのレイオフ（一時解雇）やストライキに加え、半導体・部品不足が成長の足かせとなりました。数々の困難に見舞われたものの、北米、東欧、アジアは、2023年の新車販売台数が前年比で最も大きく成長した地域となっています。

回復傾向にある中国市場

長年2桁成長を続けてきた中国経済ですが、2022年に減速し始め、翌年も回復が遅れました。一方、中国の自動車販売台数は、2023年時点で約2,580万台にのぼり、販売台数ベースで世界最大の自動車市場となっています。中国の月間自動車販売台数は、在庫不足や景気後退への懸念、新型コロナウイルス感染症の度重なる流行への対処などもあり、2022年4月に大きく落ち込んだものの、同年6月には再び2021年の水準まで回復しています。