1957年～2019年 衛星の打ち上げ回数

2019年に宇宙へと打ち上げられた衛星の数は合計で95基で、2018年に打ち上げられた114基から減少しています。 

衛星産業について 

人類は今も昔も、遥か彼方に存在する星に魅了されてきました。この好奇心が宇宙観測へとつながり、ついに人類は宇宙探査を行うまでになったのです。1950年代に生まれた衛星産業は急速に成長し、2019年には2,500基以上の衛星が地球の軌道上を公転しています。 

収益が生まれるかどうかは不明なうえに、高額な投資であった衛星産業が発展を遂げた背景には、冷戦時代の米国とソビエト連邦による政治的競争がありました。その結果、実入りが良い衛星産業市場が誕生し、デジタル化を含む幅広い事業機会が生まれたのです。その後、インターネットとデジタル化は、衛星産業における最も魅力的な投資先の一つに浮上しました。2000年代初めから、世界の衛星産業の売上高は指数関数的に増え、2018年にはおよそ2,770億米ドルにのぼりました。なお、世界の衛星産業の一部である衛星測位機器産業の売上高は、2008年から2018年にかけて3倍以上に増えています。 

衛星産業の展望 

人々の暮らしに急速な速度で変化をもたらすデジタル化は、ニーズに合わせて通信容量や利用地域を柔軟に変更できるハイスループット衛星（HTS）市場の拡大を引き起こしています。2017年のハイスループット衛星の推定市場規模は、およそ30億米ドルとされています。HTSの市場規模は、6年以内に飛躍的に増大すると予想されており、2023年には150億米ドル以上に達するとみられています。 

なお、大規模な衛星のほかにも、さまざまな目的で打ち上げられる比較的小型の衛星も存在します。商業用小型衛星の主な応用事例としては、リモートセンシング（遠隔地からセンサーを使って感知する技術）、通信、測位などが挙げられます。2018年から2030年にかけて、防衛や政府関連、学術、商業など、さまざまな目的で応用される小型衛星の打ち上げが世界的に活発化すると考えられています。なかでも商業用小型衛星は、最大かつ最速で成長を遂げる分野となると予測されています。