製造・輸送

プラスチック製容器包装業界とサステナビリティ

2024年3月11日 | 発行元 Statista Japan
プラスチック容器に入れられ、スーパーの冷蔵棚に陳列されたサンドイッチ
monticelllo via Getty Images
  • 2022年の世界の容器包装業界では、軟包装が約2,103億米ドル、プラスチック容器(硬包装)が1,735億米ドルの売上を記録しています。
  • 2023年7月、米国の食品会社クラフト・ハインツ(Kraft Heinz)は、2030年までに容器包装へのバージン・プラスチックの使用量を全世界で最大20パーセント削減するという新たな目標を発表しました。

容器包装は、プラスチックの主な用途のひとつで、世界で生産されたプラスチックの多くが容器包装の製造に使われています。汎用性・耐久性が高く、低コストで軽量なプラスチックは、世界の容器包装業界にとって欠くことのできない材料となっています。プラスチック製容器包装の世界市場は、2022年時点で約2,652億米ドルと見積もられています。

プラスチック製容器包装の種類

プラスチックの需要は、ここ数十年で世界的に増加しました。今では紙、ボール紙、金属、ガラスなどの従来の材料に代わって最も容器包装に使用される材料のひとつとなっています。2022年の世界の容器包装業界では、軟包装だけでも約2,103億米ドル、プラスチック容器(硬包装)は1,735億米ドルの売上を記録しています。あらゆる商品を保存・輸送・包装するのに効率が良く、費用対効果が高い軟包装は、最も急速に普及しているプラスチック製容器包装のひとつです。軟包装はその名の通り、やわらかく加工しやすいため、理想的な包装形態とされます。

プラスチック製容器包装の製造には、用途に応じて最適なポリマー(高分子、原料(モノマー)を重合反応で繰り返し結合したもの)が使用されます。高密度ポリエチレン(HDPE)は、強度が高く耐薬品性に優れているため、漂白剤や掃除用洗剤などの容器に用いられます。ポリエチレンテレフタレート(PET)は、透明で割れにくく、ガスバリア性が高いことから、主に飲料用ペットボトルに使用されています。

このインフォグラフィックは、商品の容器包装がリサイクル可能な素材かどうかを購買意思決定のベースにしている各国の消費者の割合を示したものです。
出典元:statista.com

プラスチック製容器包装のこれから

プラスチックは多くの場合、技術的にはリサイクルが可能です。しかし、さまざまな障壁が存在するため、全世界で再利用されるプラスチックは少量にとどまっています。こうした背景から、プラスチックごみが環境に与える影響を考慮し、プラスチック製品に対して懐疑的で厳しい目を向ける消費者が増えています。プラスチック汚染の拡大は、人類にとって喫緊の環境問題であり、各国政府は廃棄物削減のための規制やプラスチック包装税などを導入しています。プラスチックの容器包装が無くなる日はまだ先のことかもしれませんが、リサイクル率が上がらなければ、長期的には紙などの従来の包装素材に取って代わられる可能性があります。

プラスチック製容器包装業界はこのような課題に対応し、より持続可能な製品を導入するなど、循環型経済を意識した解決策を提案する必要があります。持続可能なプラスチック製容器包装の世界市場規模は、2030年までに1,437億米ドル近くに成長する見込みです。バイオプラスチック(植物などの再生可能な有機資源を原料とするプラスチック)はますます多くの企業で導入が進んでおり、市場の主流になると考えられています。消費財ブランドの多くは、自社製品へのバージン・プラスチック(再生素材ではないプラスチック)の使用削減とともに、ポストコンシューマ材料(消費者による使用を経てマテリアルリサイクルされた材料)を使った製品が占める割合の増加を目指しています。

2023年7月、米国の食品会社クラフト・ハインツ(Kraft Heinz)は、2030年までに容器包装へのバージン・プラスチックの使用量を全世界で最大20パーセント削減するという新たな目標を発表しました。目標の設定は、化石燃料削減とよりサステナブル(持続可能)な製品包装形態への重要なステップであるとしています。


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