観光業は旅行業、宿泊業、運輸業、飲食業、イベント業など、幅広い業界によって成り立っている巨大な複合産業で、雇用の受け皿としても大きな役割を担っています。特に近年注目を浴びているインバウンド観光は成長性が高く、伸び悩む日本経済の再興に貢献することが期待されています。インバウンド観光は2010年代に大きな成長を遂げましたが、観光関連のGDPの大半は国内旅行によるものでした。
コロナ禍における観光業
コロナウイルスの感染拡大と、それに伴う日本の水際対策により、国境を超えるインバウンド・アウトバウンド観光件数はほぼなくなり、国内旅行の件数も大幅に減少しました。この状況を打破すべく、政府は「Go To トラベル」キャンペーンを発表し、国内旅行者に補助金を支給しました。キャンペーンは功を奏し、2020年の終わりにかけて約8500万件の予約があったものの、その後の感染拡大を受けて2020年12月末に中止となり、現在でも再開されていません。一方、「県民割」といった地域限定のキャンペーンや、県民割の対象地域を全国に広げた「全国旅行支援」など、似たようなキャンペーンは次々と発表されており、それらとは別にGo To トラベルの改良版を発表する計画もあります。
コロナ禍前に急成長を遂げていたインバウンド観光については、2022年10月11日に水際対策が緩和され、海外からの個人旅行が解禁されたことを受け、これからの回復が見込まれています。既に2022年10月の訪日客数は前年同月と比べて20倍以上に伸びています。政府は2016年に「20年訪日4千万人、30年6千万人」という観光ビジョンを定めましたが、2019年時点で達成率は2020年比で79%、観光客1人あたりの支出額も減少傾向にありました。コロナ禍の空白期間を経て、2023年度からの計画が話し合われています。
観光地としての日本
新型コロナウイルスが蔓延するまでの10年間、インバウンド観光で日本を訪れる外国人旅行者数は大幅に増加しましたが、これにはビザの緩和、空港の発着枠の拡大、ホテルの支払い方法の簡略化などといった、様々な施策が寄与していました。観光としての旅行の他にも、買い物をするための訪日や、国際会議や見本市など(Meeting, Incentive Travel, Convention, Exhibition/Event、MICE)を誘致する戦略が打ち出されました。
日本には健康・リラクゼーション体験から高品質な製品・サービス、また綺羅びやかな大都市から人里離れたハイキングコースや美しい自然環境まで、あらゆる旅行者を満足させる多様な観光アクティビティがあるため、外国人観光客の旅行先として特別な地位を確立しています。このような多様な観光の形が評価され、世界経済フォーラム(WEF)が発表した2021年度版の旅行・観光開発ランキングで、日本は初めて総合1位を獲得しました。
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