National Police Agency; Ministry of Health, Labour, and Welfare
公開日March 2024
調査期間2014 to 2023
2024-07-01 | 発行元 Statista Japan
2023年の日本の自殺率(人口10万人当たりの自殺者数)は、17.6でした。近年、自殺率は減少傾向にありましたが、2020年には10年ぶりに増加しています。自殺率が予想に反して上昇に転じた主な原因は、新型コロナウイルス感染症のパンデミックであると考えられています。
歴史的にみて、日本の高い自殺率は個人の経済状況と密接に関係しています。自殺の動機として最も一般的なのは「健康問題」ですが、「経済・生活問題」や「勤務問題」も昨年だけで合計7,600件以上の自殺の原因となっています。
過去10年にわたって日本人の自殺につながっている根深い問題は過労です。職を失うことへのプレッシャーから長時間残業を強いられ、体調不良でも休めず、有給休暇が取得しづらいといった職場環境は、労働者や従業員による自殺の主な原因とみられています。長時間にわたる疲労の蓄積などによって死に至る「過労死」は、今では日本で広く知られた現象となっています。こうした突然死は、肉体的な疲労のみならず、プレッシャーの高い職場環境にも起因するとされます。なお、職業的ストレスや過労が原因の自殺は、過労自殺と呼ばれます。
日本では、自殺のリスクが高いのは中高年の男性であるというイメージが定着していますが、最近では高齢者や児童の自殺が繰り返し報道されています。経済的な不安やいじめ、孤独感、未整備な精神医療体制など理由はさまざまですが、すべての年齢層において自殺率が比較的高い点が指摘されています。
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