2020年 日本の所得階層別成人人口分布

10万ドルから100万ドルの資産を持つ成人は、2020年の日本の人口の約53パーセントを占めており、2番目に多いのは1万ドルから10万ドルの資産を所有している成人です。これら2つのグループを合計すると、人口の約86パーセントを占める計算となります。 

富と所得の比較 

富（Wealth）は、所得とは対照的に、社会において人々が所有する資産の度合いを示すものです。富は、国内総生産（GDP）や1人当たりGDP、世帯当たりの可処分所得とともに、各世帯の経済的な豊かさを把握するのに用いられます。また、富の分布は社会の平等さの度合いを示す指標であるとされ、日本においては、他国に比べると富が比較的平等に分配されていると考えられています。 

平等を重んじる企業文化 

近年、所得格差が政策立案者や研究者、一般市民の間で注目されています。日本における貧富の格差が比較的小さいのには、複数の要因があるとみられていますが、なかでも、日本の企業文化にみられる平等主義的な倫理観の存在が重要な役割を果たしていると考えられています。たとえば、日本企業の最高経営責任者（CEO）の所得は、英国や米国のCEOにくらべて圧倒的に低いことが挙げられます。また、世界の経営責任者の平均所得を国別に比較したところ、日本は上位10か国の内にすら入っていないことがわかっています。