日本のビデオゲーム市場は、中国、米国に次いで、世界で3番目の規模を誇ります。家庭用ゲーム機の国内および世界市場で支配的地位にあるハードウェアメーカーのソニー(Sony)や任天堂(Nintendo)など、世界的に有名なゲーム会社の多くが日本企業です。しかし、国内ビデオゲーム市場の収益の大半を生み出しているのは、モバイルゲームおよびソーシャルゲーム(ゲームアプリ)です。スマートフォンの普及が進んだ日本では、ゲームをプレイする端末として最も使用されているのがスマートフォンとなっており、モバイルゲームおよびソーシャルゲームの国内市場は、2022年時点で約1.5兆円規模と推定されています。
モバイルゲームの収益化モデル
スマートフォン向けのゲームアプリは、誰でも簡単にダウンロードしてプレイを始められることから、専用のハードウェアが必要となる携帯型ゲーム機や家庭用ゲーム機に比べ、潜在的なユーザー数が多い傾向にあります。ゲームアプリは、通常無料でプレイできますが、大抵はアイテムやキャラクターなどの追加コンテンツを購入できるアプリ内課金(IAP)の機能が備わっています。こうしたマネタイズ(収益化)手法は、ディー エヌ エー(DeNA)やグリー(GREE)などの企業が2000年代半ばに初めて導入したもので、以来モバイルゲーム業界に欠かせない要素となっています。2023年7月に行われた調査では、スマホユーザーがプレイするモバイルゲームを選ぶ理由として「お金がかからない・価格が安い」が最も多く挙げられています。ゲーム内課金を促すためのゲームデザインとして一般的なのは、ユーザーがランダムにアイテムを獲得できる「ガチャ」と呼ばれる機能です。
人気のモバイルゲーム
ゲームアプリの国内市場では、長年成功を収め続けてきた少数のゲームタイトルが上位を独占しています。ガンホー オンライン エンターテインメントが2012年にリリースした「パズル&ドラゴンズ(略称パズドラ)」や、ミクシィ(MIXI)が2013年に配信を開始した「モンスターストライク(通称モンスト)」、そしてアニプレックス(Aniplex)が2015年から配信している「フェイト グランドオーダー(Fate/Grand Order)」は、モバイルゲームの国内売上ランキングでたびたび上位に食い込んでいます。
近年日本で行われた調査によると、最も人気のスマホゲームジャンルはパズルゲームでした。その他の人気ジャンルには、「ポケモン・ゴー(Pokemon Go)」などの位置情報系ゲームや音楽ゲーム、ロールプレイングゲーム(RPG)があります。日本のモバイルゲーム市場は、依然として国内企業が優勢で、近年ベストセラーとなったタイトルの大半が国産です。しかし、中国で開発された「荒野行動(Knives Out)」や「原神(Genshin Impact)」が日本で成功を収めていることからもわかるように、中国と韓国を中心とする海外パブリッシャーも存在感を強めています。
2024年1月に発表された2023年下半期の国内モバイルゲームダウンロード数ランキングでは、1位に「ロイヤル・マッチ(Royal Match)」、2位に「ポケモン・スリープ(Pokemon Sleep)」が入り込みました。「ポケモン・スリープ」は、2023年7月にリリースされた睡眠がコンセプトのゲームアプリで、日本は2023年下半期においてダウンロード数で30パーセント以上を占めるなど、世界最大の市場と報じられています。
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