世界有数の経済大国であり、世界で最も裕福な国のひとつに数えられる日本。我が国の経済は、1960年代から1980年代にかけて急成長したものの、1991年のバブル崩壊後、数十年間にわたり停滞局面が続きました。一方で、足元のインフレ率高騰は、経済が転換点に達した可能性を示唆しています。
金融政策においても、日本は大きな節目を迎えています。日銀は2024年3月、マイナス金利政策を17年ぶりに解除し、金利を引き上げることを決定しました。しかし、個人消費の弱さなどの懸念が燻るなかで、今後日銀の想定通りに物価や景気が推移していくかに注目が集まっています。
日本経済のポイント
約1億2,500万人の人口を誇る日本は、世界最大規模の消費市場を有しています。2022年時点での日本の名目GDP(国内総生産)は、4兆2,400億米ドルに達しました。しかし、2023年の名目GDPは、中国、米国、ドイツに次ぐ世界第4位に転落しています。
戦後、製造品の主要な輸出国として驚異的な経済成長を実現した日本。今もなお電化製品や自動車の主要な生産国であり続けていますが、1980年代以降はサービス経済化が進み、直近ではGDPの7割近くをサービス産業が占めています。製造業などの二次産業がGDPに占める比率はサービス業に次いで高く、29パーセントです。2022年時点では、日本は世界第3位の輸入大国であり、世界第5位の輸出大国でした。農作に適した土地が少なく、資源に乏しい我が国の経済は、燃料資源、工業用原料、食料の輸入に強く依存しています。なお、財(モノ)とサービスの貿易がGDPに占める割合は、47パーセント近くに達します。
日本経済の歴史と最近の発展
日本は戦後、技術の進歩や工業生産力の拡大、輸出志向の成長戦略に支えられて、瞬く間に先進国と肩を並べ、1970年代には世界最大の輸出国および世界第2位の経済大国に成長しました。しかし1980年代には、土地と株への過剰かつ投機的な投資が資産価格の高騰につながり、1991年のバブル崩壊を招いてしまいます。結果として、日本経済はその後、「失われた10年」と呼ばれる前代未聞の長期不況に陥りました。
バブル崩壊以降、政府は数十年間にわたり経済を長期停滞から脱出させる方法を模索してきました。2013年には、デフレから脱却し、経済を成長路線に乗せるための「アベノミクス」と呼ばれる政策が導入されました。アベノミクスは、「機動的な財政政策」、「大胆な金融緩和」、「民間投資を喚起する成長戦略」の「3本の矢」から成る経済政策です。
とはいえ、日本経済が転換の兆しを見せたのは、ごく最近になってからです。2022年および2023年は、インフレ率がバブル崩壊以来の高水準に上昇し、日本銀行の物価安定目標である2パーセントを上回りました。物価の上昇が今後も続くかは、賃金の動向にも左右されます。インフレによって購買力が低下するため、消費を伸ばして健全な物価上昇率を維持するには、賃上げの実現が不可欠とみられています。
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