スポーツ産業は、「スポーツ参加」と「スポーツ観戦」の2部門に大きく分けられます。日本では、教育の一環としての体育が小学校低学年から行われ、運動部活動に参加する生徒も多く、クラブ・部活動が、趣味を極めつつ仲間との交流を楽しむ場となっています。スポーツをする人の割合は成人になると減りますが、ジムやスポーツクラブに通うか、個人で何らかの運動を続ける人が大半を占めます。
相撲、剣道、柔道といった日本固有の伝統的な運動文化である武道は、現代社会においても重要な役割を担っています。しかし、野球やサッカーといった海外発祥のスポーツは、テレビ・ネットでの観戦者数、会場での観客動員数、スポーツファン数のすべてにおいて武道を大きく上回っています。
スポーツ振興と行政
スポーツ施設の整備・維持管理、人材雇用、スポーツ促進事業への支出など、スポーツ振興には多額の費用がかかるため、財源の確保が必要です。日本のスポーツ行政は、文部科学省の外局であるスポーツ庁が統括的に推進し、他省庁や日本スポーツ振興センター(JSC)などと連携してさまざまな施策を展開しています。スポーツ振興くじは、政府の助成金や投資、民間からの寄付と並んで、地域におけるスポーツ施設の整備促進やスポーツ活動の活性化などを支える大きな柱となっています。振興くじの売上は増加傾向にあるとみられ、日本スポーツ振興センターは2024年3月、2023年度のスポーツ振興くじの売上が約1,203億円に達し、過去最高を記録した21年度の約1,131億円を上回ったと発表しました。スポーツ振興くじの売上高は、4年連続で1千億円を超えたと報じられています。
コロナ禍におけるスポーツ参加とスポーツ観戦
日本では、新型コロナウイルスの感染拡大前から健康志向が高まっており、成人の週1日以上のスポーツ実施率は5割を超えています。スポーツ行動者率(過去1年間に何らかの「スポーツ」を行った人が10歳以上人口に占める割合)は、コロナ禍でも概ね安定的に推移したものの、施設利用・会費・スクール料への支出は、大幅に減少しました。その理由としては、自宅や公共の場で運動する人がコロナ前に比べて増えたことや、感染対策に注意を払いつつも、「ニューノーマル」に対応した形でスポーツを続ける人が少なからずいたことが挙げられます。
新型コロナの急速な感染拡大により、国内では多くのスポーツイベントが開催中止・延期を余儀なくされました。さらにコロナ禍では、プロスポーツ観戦に対する厳しい制限が長期化し、観客数の減少につながりました。イベント開催の再開後も、公衆安全上の理由から、無観客試合や厳しい人数制限が継続されました。
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