2020年から2022年にかけてのCOVID-19パンデミックの影響は、日本の観光業、とりわけインバウンドセグメント（訪日外国人観光客の部門）にとって甚大でした。このセグメントでは支出が劇的に減少しました。しかし、パンデミックによる制限が緩和され、国際旅行が再開されると、2023年にはインバウンドセグメントが回復し、その年には過去最高を記録しました。この回復は、過去10年間の上昇傾向を継続するものでした。
インバウンド観光セグメントの成長は、日本の国際観光収支にも反映されています。この数値は、訪日外国人観光客の支出から日本人観光客の海外での支出を差し引いて算出されます。2015年に初めてプラスとなり、それ以来、常にプラスを維持しています。2023年には、日本の国際観光収支が3.4兆円の黒字を記録し、新たな高水準を達成しました。これは、外国からの資金が日本経済に流入するため、日本にとって有益です。
コロナ禍で深刻な影響を受けた世界の観光業界に、回復の兆しが見え始めています。国連世界観光機関（UNWTO）の報告によると、2023年の国際観光客の到着数は、パンデミック前の88％に相当する約13億人に達すると予測されています。さらに、2024年末までには、国際観光はコロナ禍前の水準に完全に戻ると見込まれています。
2023年にインバウンド観光業界で記録された総支出の増加とは対照的に、ショッピングセグメントは停滞し、COVID-19パンデミックの影響を大きく受けた2020年から2022年の数字を除けば、過去数年間で最低を記録しました。この動向は、ショッピングへの旅行支出の割合にも反映されており、2015年に41.8％でピークに達し、それ以来着実に減少し、2023年には26.5％に減少しています。2015年と2023年のショッピングへの旅行支出の割合の差は顕著で、15％以上減少しています。
過去10年間の旅行者数と支出の数字は、インバウンド観光の成功は、一部の国と地域のパフォーマンスによって大きく左右されることを示しています。中国、台湾、韓国からの観光客は、インバウンド観光支出全般、特にショッピング部門の主な貢献者でした。
旅行者がショッピングを楽しむ動機は多岐にわたります。インバウンド旅行者が旅行中に商品を購入する最も一般的な理由は、商品の質の良さであり、次に価格が手頃であることです。もう 1 つの動機は、商品のデザインが優れているかかわいいことです。多くの旅行者は日本製品に対して肯定的なイメージを持っているようで、購入理由の上位に「日本製」がランクインしています。最も満足したショッピング商品のカテゴリを選択するように求められたとき、上位のカテゴリは菓子類でした。菓子類は最も多く購入された商品カテゴリでもあり、本当に人気のようです。インバウンド旅行者は衣料品関連の購入にも非常に満足していました。
免税ショッピングは、観光客を誘致し、旅行者のショッピング支出を増やすために日本政府が考案したもう 1 つのインセンティブです。このサービスは、2023年までに約56,600施設に拡大した加盟店で利用可能。1店舗1日1人5,000円の買い物など一定の条件を満たせば、日本に一時滞在するすべての外国人が免税で買い物ができる。加盟施設の多くは地方にあるため、免税優遇制度は地方経済の活性化にも寄与する狙いがある。
Statistaは、記載された情報の完全性および正確性に関して一切の責任を負いません。このページに掲載されているのは一般的な情報であり、statista.comのコンテンツを翻訳し、作成したものです。和訳版と原文（英語）に差異が発生した場合には、原文が優先します。更新頻度が異なるため、本ページで紹介したデータよりも新しいデータがstatista.com上に表示される場合があります。データの二次利用権に関しては、FAQの該当項目をご覧ください。
Statistaにご関心をいただき有難うございます。ライブデモのご要望、製品の内容、アカウントの種類や契約に関する詳細など、どうぞお気軽にお問い合わせください。日本語と英語での対応が可能です。
