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独自の発展を遂げる日本の自動車産業

2023年03月27日 | 発行元 Statista Japan
車の窓から外を眺める女性。
west via Getty Images
  • 自動車販売の業界団体が2023年1月に発表した2022年の国内新車販売台数(軽自動車含む)は、半導体不足による減産により2021年比6%減の420万台強で、1977年以来45年ぶりの低水準でした。
  • 2022年1月~11月の世界の電気自動車(EV)販売台数は約680万台でしたが、日本の自動車メーカーが占める割合は5%以下でした。日本のメーカーはこれまで、EVよりもハイブリッド車(HV)が脱炭素につながるとみて重視してきましたが、ホンダが2040年に新車販売を全てEVもしくは燃料電池車(FCV)にし、ガソリン車から撤退する方針を表明するなど、EVへのシフトは徐々に進んでいます。
  • ホンダとソニーグループは「AFEELA(アフィーラ)」ブランドのEVの受注を2025年から開始すると発表しました。また、「レベル3」の自動運転機能の搭載、車内で楽しめるエンターテインメント要素の充実などの予定も明らかにしました。

自動車産業は、日本にとって極めて重要な産業の一つです。トヨタ、ホンダ、日産など、世界的なブランドを数多く擁しており、それぞれの会社の関連部品会社なども含めると、非常に裾野が広い業界でもあります。国産車は日本国内で販売される自動車・二輪車において圧倒的なシェアを誇っており、生産・開発拠点がグローバル化する中でも、日本の自動車産業にとっては国内が最も重要な市場であることは変わりません。

国内市場の現状

日本の人口は減少傾向にありますが、自動車の保有台数はこの数年で微増しており、公共交通機関ではない、個別交通の需要が根強いことを示しています。公共交通網が発達している都市部では公共交通機関の利用が多いですが、地方では日常生活に必要な移動手段として自家用車の利用が多く、一世帯あたりの自動車保有率も高くなっています。

日本で報告された交通事故件数はこの10年間減少傾向にあります。これは計画的な交通規制や免許点数制度などのほか、車両に搭載する安全システムなどが貢献していると見られています。

近年では自動運転機能が注目を浴びており、乗用車にオプションとして搭載されることも増えてきました。これを受け、日本政府は規制を改正し、緊急時の対応以外を自動化する「レベル3」を搭載した車の公道走行を可能にするなど、新技術の開発支援を始めました。規制緩和を受け、ホンダは早くも同システムを搭載した高級セダン100台をリース販売しました。

好調に見える日本の自動車産業ですが、半導体不足による減産の影響で、2022年の国内新車販売台数(軽自動車含む)は前年比6%減の420万台強でした。これは1977年以来、45年ぶりの低水準でした。

このインフォグラフィックは、各国の車を所有しない人が「いつか車を購入したい」と答えた割合を示したものです。
車を所有していないが将来的に購入する意思があると答えた人の割合 Source: statista.com

ハイブリッド車(HV)から電気自動車(EV)へ

世界ではHVからEVへ移行が進んでいますが、日本ではHVに根強い人気があります。2022年1〜11月に世界で販売されたEVは約680万台でしたが、日本の自動車メーカーが占めた割合は5%以下でした。日本の自動車メーカーは、電池の調達コストが高いことなどを理由に、EVよりもHVが実際の脱炭素につながると見て重視してきました。そうした中でも、ホンダが2040年の新車販売を全てEVもしくは燃料電池車(FCV)とし、ガソリン車販売から撤退する方針を表明するなど、EV移行への機運が少しずつ高まっています。

また、ホンダはソニーグループと共に「AFEELA(アフィーラ)」ブランドを立ちあげ、2025年からEVの受注を始めると発表しました。このEVにはレベル3の自動運転機能や、充実した車内エンターテインメントが搭載される予定です。

販売好調な軽自動車

狭い道、高齢化社会、単身世帯の増加などといった日本の事情に対応するため、国産車メーカーは日本独自の車種である軽自動車の開発に取り組んできました。軽自動車は普通の自動車よりも手頃な価格で購入でき、場所も取らないため、利便性を求める人々のニーズに最適でした。市場に投入されると瞬く間に人気を博し、2022年には、最も売れた車種の国内販売台数が、普通車の人気モデルの販売台数を上回りました。軽自動車は乗用車が中心ですが、軽トラックなど特定の用途に使われるものも数多くあります。またハイブリッド技術の低価格化に伴い、軽自動車のHVも増えています。


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