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日本におけるLGBTQ +の権利と現状

2024年04月22日 | 発行元 Statista Japan
日本の国旗とLGBTの旗。
Suphanat Khumsap via Getty Images
  • 2024年4月、 LGBTQ+など性的マイノリティーの人々への差別や偏見をなくそうと呼びかける「東京レインボープライド2024」が東京で行われ、当事者や支援者など約1万5千人が通りを練り歩き、沿道の人々からは温かい声援が送られました。 

東京レインボープライドは、1994年に東京で日本初となるプライドパレードが行われてから今年で30周年を迎えます。

日本は、主要先進7か国(G7)で唯一、同性婚や婚姻と同等の権利を保障するパートナーシップ制度を国レベルで導入しておらず、LGBTQ+と呼ばれる性的少数者への対応で他の先進国に大きく遅れをとっています。LGBTQ+に対する国民の意識はおおむね肯定的な傾向にあるとみられますが、国レベルでの法整備への取り組みはほとんど進んでいないのが現状です。 

日本におけるLGBTQ+の現状

LGBTQ+とは、Lesbian(レズビアン)、Gay(ゲイ)、Bisexual(バイセクシャル)、Transgender(トランスジェンダー、性自認が出生時の性別とは異なる人)、Queer(クィア、性的指向が異性愛に限らない人 )の頭文字をとった言葉で、「+」にはその他の性的マイノリティーを包括するという意味が込められています。 

ある調査によると、同性婚や同性カップルが養子縁組を行う権利に対して、日本の国民はおおむね肯定的であることが明らかになっています。一方で、性的指向を理由にいじめや不等な扱いを受ける当事者は、依然として存在します。また、日本におけるLGBTQ+関連の法整備状況は、経済協力開発機構(OECD)諸国の平均を下回っており、同性婚を認める法律が存在しないことや、性的少数者への差別を禁止する法律を国レベルで導入していないことがその主な理由です。とはいえ地方自治体レベルでは、差別を禁止する条例や法的拘束力を伴わないパートナーシップ制度が施行されています。男女格差が大きく、伝統的な性別の固定観念が根強い我が国では、性的指向や性自認を隠すことを選ぶ人が今も少なくありません。 

同性パートナーシップ制度

2015年に東京都渋谷区が自治体として日本で初めて同性パートナーシップ制度を導入してからというもの、2022年4月までに全国で209の自治体が同様の制度を導入しています。人口に換算すると、日本国民の約5割がこうした自治体の住民となる計算です。 

2022年11月からは、パートナーシップ制度が東京都全体に拡大され、同様の制度が導入されている都道府県の数は合計で8つになりました。パートナーシップ制度の内容は自治体によって異なりますが、登録されたカップルには一定の権利が与えられます。 

同性カップルに与えられる権利には、住宅ローンや公営住宅の共同利用、保険への共同加入、パートナーの医療情報へのアクセスなどが含まれます。同性カップルは養子縁組ができないため、一部の自治体では、同性カップルとその子どもの家族としての地位を認める家族証明制度を設けています。しかし、これらの制度は法的拘束力を持たず、LGBTのカップルに法律上の夫婦と同じ権利を与えるものではありません。 

トランスジェンダーの権利

同性カップルのパートナーシップ制度に関しては徐々に進展が見られますが、トランスジェンダーの権利に関する日本政府の姿勢は国際人権基準に沿っていないとして、国際的な批判を浴びています。 

当事者は戸籍上の性別変更ができますが、性同一性障がい者特例法では、障がい認定手続きの条件として、不妊手術を受けることや、結婚をしていないこと、未成年の子どもがいないことが挙げられています。こうした状況にもかかわらず、戸籍上の性別を変更する人は増え続けており、2021年には全国の家庭裁判所で729件の性別変更が認められています。 


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