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日本のFinTech業界とキャッシュレス決済の動向

2024年8月26日 | 発行元 Statista Japan
west via Getty Images
  • 国内では、キャッシュレス決済比率が年々増加しており、最も成長率が高いのはQRコード決済です。 
  • 2024年3月、金融庁が主催のイベント「Japan Fintech Week」が東京、大阪、福岡など全国で開催されました。スタートアップから大手金融機関まで、さまざまな企業や団体が参加し、生成AIのFinTech導入やマイナンバーカードを活用した金融サービスについて盛んな議論が行われたと報じられています。 

FinTech(フィンテック)とは、金融(Finance)と技術(テクノロジー)を組み合わせた造語で、ブロックチェーン技術、AI(人工知能)、ビッグデータなどの情報技術を活用した、より効率的で革新的な金融サービスを指します。なかでも決済サービスは、日本のFinTech業界の中核を成す存在です。2021年には、米国のFinTech大手が買収を通して日本のデジタル決済市場に続々と参入し、アジア太平洋地域のFinTech市場で最大のM&A(合併・買収)が成立するに至りました。 

日本における電子決済 

フィンテックには、電子決済、オルタナティブ・ファイナンス、デジタル投資など、多種多様なサービスが含まれます。現金主義が根強い日本では、コロナ禍での生活様式の変化と政府のキャッシュレス推進策が追い風となり、電子決済が普及しました。国内では、キャッシュレス決済比率が年々増加しており、なかでもQRコード決済は最大の成長率を誇ります。ノンバンクの資金移動サービスも利用率が上がっており、ここ数年で年間取扱金額が大幅に増加しています。そのために政府は、ノンバンクの資金移動業の資産保全義務に関する規制を緩和し、新規事業者が参入しやすい環境を整えました。さらに2023年4月からは、給与デジタル払い(デジタル給与)が解禁され、従業員はデジタルマネーで給与を受け取ることが可能になりました。 

国内の大手FinTech企業 

2016年、政府は「日本再興戦略2016」を閣議決定し、FinTechの推進とFinTechエコシステムの創出を重要戦略として位置付けました。以来、政府はFinTech部門の成長促進に向けた規制・制度改革を進めています。2024年3月には、金融庁が主催するイベント「Japan Fintech Week」が東京、大阪、福岡など全国で開催されました。スタートアップから大手金融機関まで、さまざまな企業や団体が参加し、生成AIのFinTech導入やマイナンバーカードを活用した金融サービスなどについて盛んな議論が行われたと報じられています。 

都市別のGDP(国内総生産)が世界第2位の規模を誇る東京も、「国際金融都市・東京」構想実現に向けた重要施策の一つとして、FinTechの活用を通じた金融のデジタル化を策定しました。具体的には、スタートアップエコシステムの改善やFinTechが東京に進出するための初期費用の支援、都内のキャッシュレス比率の向上といった施策が挙げられています。 

楽天(Rakuten)ペイペイ(PayPay)は、国内最大手のFinTech企業で、それぞれに多数の利用者を擁するデジタル・エコシステム(経済圏)を形成しています。また両社は、楽天ペイ(Rakuten Pay)やペイペイなどのスマホ決済に加え、ネット銀行、オンライン決済、ネット証券、生保・損保など、さまざまなオンライン・モバイル金融サービスを展開しています。近年では、世界のFinTech大手もスタートアップ企業の買収を通じて国内市場に参入しています。米国の決済大手ペイパル(PayPal)は、2021年に後払い決済サービス(BNPL)を手がけるスタートアップのペイディ(Paidy)を買収し、アジア太平洋地域のFinTech部門で最大規模のクロスボーダーM&Aを成立させました。同年にはグーグル(Google)も、スマホで決済や送金が手軽に利用できるサービス「プリン(Pring)」を買収しています。 


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