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日本の自然災害に関する統計的分析

2023年9月18日 | 発行元 Statista Japan
最寄りの避難所までの距離を示した津波避難経路表の画像。
LanceB via Getty Images
  • 気象庁のデータによると、2022年に台風が日本列島に上陸した回数は3回で、前の年と同じでした。台風の上陸回数が近年最も多かった年は、台風が6回襲来した2016年です。 
  • 2023年8月、全国各地の海沿いに点在する石油タンクが津波で流されるのを防ぐための工事が、鹿児島県種子島で行われました。東日本大震災では、津波で大量のタンクが海に流され、深刻な被害が出ました。 
  • 東京電力は2023年8月、政府の方針に従い、トリチウムなどの放射性物質を含む処理水を基準値以下に下回る濃度に薄めたうえで、海へ放出し始めたことを公表しました。 

日本は、自然災害が頻繁に発生するいわば災害大国です。日本列島は、複数のプレートが重なり合う環太平洋火山帯に位置するため、地震や津波、火山の噴火といった自然災害の影響を受けやすくなっています。国内では、自然災害によって毎年多数の犠牲者(死者・行方不明者含む)が出ており、政府は防災対策として、地震警報システムや緊急避難施設、住宅・建築物の耐震化に防災関係予算を投じています。また、全国の学校や職場では定期的に防災・避難訓練が行われ、こうした防災教育は保育園・幼稚園から始まります。 

日本における自然災害

近年では、豪雨による施設や建築物への被害額がほかの自然災害と比較して最も多いことがわかっています。豪雨や洪水といった災害は多くの場合、毎年のように列島に上陸する台風の影響により発生します。熱帯低気圧は太平洋上で発達した後、7月から10月の台風の季節に日本に接近します。影響は地域によって差があり、日本の南方に位置する沖縄県には毎年台風が襲来しますが、北海道が台風の影響を受けることは滅多にありません。近年では、台風の発生回数が増えていることから、洪水による被害も増加しています。 

2023年は、沖縄を直撃した台風2号や、西日本に大きな被害をもたらした台風7号など、台風のニュースを目にする機会が多い年です。気象庁のデータによると、台風が2022年に日本列島に上陸した回数は3回で、前の年と同じでした。台風の上陸回数が近年で最も多かったのは、台風が6回襲来した2016年です。気象庁では、台風の中心が北海道、本州、四国、九州の海岸線に達した場合を「日本に上陸した台風」としています。 

日本列島には、世界全体の約10パーセントにあたる100を超える活火山が存在します。日本一の高さと美しさを誇る活火山である富士山が最後に噴火したのは、1707年(宝永4年)の宝永大噴火のときです。日本で最も活発な活火山のひとつである鹿児島県の桜島は、年に数百回噴火を繰り返しています。なお、四方を海に囲まれた日本では、火山活動のみならず、大型の地震も頻繁に発生するため、津波が発生しやすい国土になっています。 

2023年8月、海沿いに点在する石油タンクが津波で流されるのを防ぐための全国初の工事が、鹿児島県種子島で行われました。東日本大震災では、大量のタンクが津波で海に流されて深刻な被害が出たことから、全国に約5万基設置されている石油タンクを津波から守る必要性が生じたのです。今回行われた工事では、「カーボンファイバー」という特殊繊維を使ってタンクを固定することで、最大6メートルの津波に耐えられる強度をもたせることができるとみられています。 

2011年の東日本大震災

2011年に発生した東日本大震災(東北地方太平洋沖地震は、被害総額が国内史上最高となった自然災害です。また、ローカル・マグニチュード(リヒター・スケール)をベースとした地震の規模が、観測史上世界最大の地震のひとつであったことがわかっています。東日本大震災では、津波による被害が地震の被害より深刻で、多くの町が壊滅状態となったほか、1万5千人以上の尊い命が失われました。また、福島第一原子力発電所の3つの原子炉がメルトダウンを起こす事態につながったのは、周知の事実です。 

原発事故の発生から12年余りが経った今も、核燃料冷却用の処理水の取り扱いが懸案となっています。東京電力は2023年8月、政府の方針に従い、トリチウムなどの放射性物質を含む処理水を基準値以下に下回る濃度に薄めたうえで、海へ放出し始めたことを公表しました。これを受けて、中国政府は日本を原産地とする水産物の輸入を全面的に停止することを明らかにし、香港・マカオ政府も、東京や福島など10都県からの水産物の輸入を禁止すると発表するなど、一部周辺国・地域から強い反発の声があがっています。 


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