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今後も拡大続く?日本のEC市場と遅れるEC化

2023年12月21日 | 発行元 Statista Japan
ソファでくつろぎながら、ECサイトで買い物をする日本人の老夫婦。
chachamal via Getty Images
  • 国内のBtoB ECの市場規模は、BtoB市場全体のおよそ3分の1を占めており、BtoC EC市場と比べるとその差は歴然です。 
  • 伊藤忠商事株式会社は2023年11月、日本の大手小売企業向けの新しいBtoB越境ECサービス「The CKB X」の提供を開始することを公表しました。 

日本は、世界最大のEC(電子商取引、eコマース)市場のひとつです。取引額ではBtoB(企業間取引)が圧倒的ですが、BtoC(企業対消費者取引)の売上も拡大しており、C2C(消費者間取引)も発展段階にあります。なかでもBtoCは、過去10年で市場規模が倍以上に成長しています。オンラインストアの売上が実店舗に迫るなか、市場での地位を守ろうとマルチチャネルに移行する企業が近年増えています。 

日本は経済規模が大きく都市部に人口が集中しており、インターネット普及率も全国的に高いため、EC業者にとって魅力的な市場となっています。国土が狭く先進的な物流インフラが整備されている日本では、郵便サービス業における顧客志向が徹底されており、EC業者は簡単で便利な配達サービスを顧客に提供できます。 

日本のEC市場は、信頼度の高い国内のECサイトが独占しています。越境EC(クロスボーダーEC)は、K-POPなど海外のトレンドの追い風を受けていますが、島国という地理的条件から配達料の高騰がボトルネックとなっています。 

BtoB EC市場

国内のBtoB (企業間取引)ECの市場規模は、BtoB市場全体のおよそ3分の1を占めており、BtoC (企業対消費者取引)ECと比べるとその差は歴然です。BtoB EC市場は、徐々に加速する日本企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)により支えられています。政府が推奨する老朽化した情報システムのデジタル化が、新たな需要を生み出しているためです。コロナ禍でデジタル化が進んだこともあり、日本の中堅・中小企業の多くは、近年Web受注システムへの移行を済ませたと報告しています。 

BtoB向けのECサービスを提供している国内企業も、少なからずあります。2023年11月、伊藤忠商事株式会社は、中国に設立した子会社を通じて、日本の大手小売企業向けの新しいBtoB越境ECサービス「The CKB X」の提供を開始することを公表しました。「The CKB X」は、2015年に展開され有料会員数がすでに4万社を超えるBtoB越境ECサービス「THE直行便」を、日本の企業向けにカスタマイズしたサービスとされます。利用する企業は、自社の調達システムとの連携や、改良されたUI(ユーザーインターフェース)、専属サポートチームの設置などによって、商品調達をより円滑に行えるようになるとみられています。 

このインフォグラフィックは、各産業部門が世界のEC売上高に占める割合の推定値を示したものです。
出典元:statista.com

BtoC市場の緩やかなEC化

BtoC EC市場では、顧客が1か所で買い物を済ませられるオンラインマーケットプレイスが優勢です。フリマアプリのメルカリは、楽天、ヤフーショッピング(Yahoo! Shopping)、アマゾン・マーケットプレイス(Amazon Marketplaces)と並ぶ主要なマーケットプレイスとなっています。 

物販系分野のBtoC EC市場をみると、EC化率(すべての商取引においてECが占める割合)が商材によって大きく異なることがわかります。余暇関連商材や家電、生活雑貨などではEC化率が高いものの、食料や飲料ではEC化が遅れています。 

消費者のEC利用率は、クロスプラットフォーム機能の導入、ロイヤルティプログラムの採用、決済方法の多様化などにより後押しできると考えられています。しかし、食料品や日用必需品の購入に関しては、商品を欲しいときに手軽に購入できるスーパーやコンビニを選ぶ人が少なくありません。 

「世界のEC市場」に関する統計にご関心のある方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。 


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