デジタル・テクノロジー

モバイル端末の普及と共に発展するEコマース

2023年02月05日 | 発行元 Statista Japan
ノートパソコンの上に浮かぶオンラインショッピングの文字が書かれた小さな配送用パッケージ。
style-photography via Getty Images
  • 新型コロナウイルスの感染拡大を背景に電子商取引(Eコマース)は急成長を遂げた一方、いわゆる「巣ごもり需要」は一段落を迎え、Eコマースから実店舗への回帰がすでに始まっています。各社はEコマースの利便性を高めることで、巣ごもり需要への依存からの脱却を急いでいます。
  • ロシアによるウクライナ侵攻はパンデミックからの回復半ばであった世界経済を更に押し下げており、インフレーション、エネルギー価格の高騰、サプライチェーンの分断はEコマースにも影響を与えています。
  • 日本国内ではITの発達や円安を追い風として中小企業が続々と越境Eコマース参入しており、その市場規模は2021年には米中向け越境Eコマースだけで両国向け輸出額の約1割に相当する規模にまで成長しました。

全世界のインターネットユーザー人口が50億人近くになり、社会のデジタル化が急速に進む中、Eコマースも大きな成長を遂げています。特にコロナウイルスが猛威を奮った時期は外出自粛が求められ、いわゆる「巣ごもり需要」によりEコマースは高成長を遂げました。2021年の世界のEコマースの売上高は5兆2千億米ドルを超え、同年の全世界の小売売上高の19%近くを占めました。今後もEコマース市場は成長すると予測されており、2026年には全体の4分の1近くをEコマースが占めると見込まれています。一方、ロシアによるウクライナ侵攻はインフレーションやエネルギー価格の高騰を招いている他、数多くの制裁などによりサプライチェーンの分断も引き起こしており、物流が命のEコマースにも多大なる影響を与えています。

Eコマースにおけるマーケットリーダー

Eコマースは誰がどのように物品・サービスを販売し、誰が購入するかによって様々な区分がありますが、世界のEコマースの大部分はオンラインマーケットプレイス上で行われていますアマゾン自社ウェブサイトへのアクセス数で2位以下を大きく引き離しており、2022年5月にはウェブサイトへの直接のアクセスが56億回を超えました。また、アマゾンの2021年の純売上高は約4,700億米ドルと、前年の3,860億米ドルと比較して急激な成長を遂げました。アマゾンの売上高の大部分は米国とカナダからもたらされています。一方、商品総額(GMV)においては、アマゾンは中国のアリババグループが運営するタオバオとTmallに次ぐ第3位となっています。

国単位での世界最大のEコマース市場は中国で、2022年には約1.4兆米ドルの売上を記録する見込みです。しかし、2022年から2025年の間には15%の成長しか見込まれず、米国が50%、ヨーロッパが47%、その他の国が52%の成長を見込まれていることと比較すると、頭打ち感があります。国別では、2025年までの年間成長率が20.73%と試算されているブラジルが最も成長する市場に成ると見られています。

Statistaによるこのインフォグラフィックは、2022年と2025年(予測)のEコマース売上高と増加率を国・地域別で示したグラフです。
Source: statista.com

モバイル端末が押し上げるEコマースサイトへのアクセス

Eコマースの成長を下支えするのはスマートフォンからのアクセスで、2022年第2四半期には小売店のウェブサイトの訪問者数の7割以上をスマートフォンが占めました。現時点で他のデジタルインフラが整っていない地域では、モバイル端末の普及が次世代の購入体験を形成していくことが見込まれます。モバイル端末上のEコマース(Mコマース)はアジアで特に人気があり、韓国では取引総額の72%以上がそれによるものです。

Eコマース利用者の共通点

オンラインショッピングの購入体験は実際の店舗での購入体験に比べるとインタラクティブなものではありません。しかし、その場で商品を検索し、競合品との比較、口コミのチェックをすることができるなど、消費者はEコマースの手軽さと柔軟性を高く評価しています。商品の受け取り方法では、自宅配送が最も人気の配送オプションとなっています。カテゴリー別では企業と消費者間での取引(B2C、BtoC)において、ファッション電化製品が最も大きな割合を占めています。

日本におけるEコマースの浸透率は約77%で、英国や米国、オランダなどに次いで7位です。巣ごもり需要によって押し上げられた需要は落ち着いたこともあり、各社は消費者がEコマース上で購入し続けてくれるように利便性の向上に努めています。一方、歴史的円安やITの発達を受け越境ECによる海外販売は急成長しており、2021年には米中向け越境ECのみで両国向け輸出額の約1割に相当する規模まで成長しました。


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