デジタル・テクノロジー

急成長を遂げる仮想現実(VR)業界と広がる活用例

2023年6月6日 | 発行元 Statista Japan
VRヘッドセットを装着して仮想現実(VR)体験を満喫する男性。
Damir Khabirov via Getty Images
  • 2023年4月、京都の拡張現実(VR)ゲーム開発スタートアップ企業CharacterBank(キャラクターバンク)は、ゲーム会社などから約3億5千万円の資金調達を行ったことを発表しました。巨額の調達額が示すように、VRゲーム業界は国の内外を問わず盛り上がりをみせています。 
  • ここ数年リリースされると噂されていたApple(アップル)のVRヘッドセットが、2023年6月に開催予定の「世界開発者会議(WWDC)」で発表されると予想されています。Appleはこの製品に、スポーツの試合やニュースなどを没入感を楽しみながら視聴できる機能などを搭載する予定であるとみられています。 
  • 大分県臼杵市は2023年2月から、市外・県外などからの移住希望者を呼び込もうと、市が把握している空き家物件をVRで内覧できるサービスを始めました。臼杵市は、空き家の所有者と物件を探す移住者をマッチングさせる「空き家バンク制度」を2014年から開始しており、今回VRでの内覧機能を導入することで、県外在住などで内覧に足を運べない移住者の利便性向上が期待されています。 

近年、VR業界は急速に成長しており、世界のVR市場規模は2022年の120億米ドル以下から、2025年には220億米ドル以上に拡大すると予測されています。日本でも、京都のVRゲーム開発スタートアップ企業CharacterBank(キャラクターバンク)が2023年4月、ゲーム会社などから約3億5千万円の資金調達を行ったことを発表し、話題となっています。巨額の調達額からは、VRゲーム業界が国の内外を問わず盛り上がりをみせていることがわかります。こうした背景から、企業向け(B2B)および消費者向け(B2C)の両分野で、さまざまな業界の企業がVR市場拡大の恩恵を得ることに期待が寄せられています。

このStatistaのインフォグラフィックは、ビデオゲームと仮想現実(VR)ハードウェアの普及率を比較したものです。
Source: statista.com

VRに不可欠なヘッドセット 

現在、標準的なVRシステムは、VRヘッドセット(着用した人がVRを楽しめる頭部装備型端末)やマルチプロジェクション環境を使用して、視覚や聴覚への刺激を再現するものが主流となっています。実際に仮想環境に存在しているかのような印象をユーザーに与えることが目的で、主にヘッド マウント ディスプレイ(HMD)と呼ばれる、現実世界の光や映像が仮想世界に入るのを防ぐヘッドセットを使用することで、仮想世界への没入感を生み出します。 
 
VRヘッドセットの主要なメーカーには、Meta(メタ、当初の名称はOculus(オキュラス))、Pico(ピコ)、ソニー、HTC(エイチ ティー シー)、Valve(バルブ)などが挙げられます。なお、ここ数年リリースされると噂されていた Apple(アップル)のVRヘッドセットは、2023年6月5日(日本時間6日)に開催予定の「世界開発者会議(WWDC)」で発表されると予想されています。Appleはこの製品に、スポーツの試合やニュースなどを没入感を味わいながら視聴できる機能などを搭載する予定であるとみられています。   

このインフォグラフィックは、VRヘッドセットの世界ランキングをそれぞれのKPIとともに示したものです。
Source: statista.com

多方面への普及拡大 

一部のアナリストは、より小型でファッショナブルな端末の導入など、VRハードウェアの改良によって、一般消費者や業界全体へのVRの普及拡大が進むであろうと指摘しています。ヘルスケアや人材開発(HR)、製造業は、VR技術によって革新的な変化がもたらされる業界であるとされ、主な実用例としては、外科医師の手術訓練や製造オペレーターの体験学習、学校での没入型教育体験などが挙げられます。このように、VRがもたらす経済的価値は世界中に広がり、活用事例の拡大・発展とともに大きく成長することが見込まれています。 
 
直近では、大分県臼杵市が県外からの移住希望者を呼び込もうとスタートした「市内の空き家物件をVRで内覧できるサービス」が注目を集めています。臼杵市は、2014年から空き家の所有者と物件を探す移住者をマッチングさせる「空き家バンク制度」を開始しており、VRでの内覧機能を導入することで、県外在住で内覧に行けない移住者の利便性向上に期待が寄せられています。 臼杵市のように、官民問わずVRを積極的に実用化する取り組みが広がれば、国内のVR産業も大きく発展していくであろうと考えられます。 


Statistaは、記載された情報の完全性および正確性に関して一切の責任を負いません。このページに掲載されているのは一般的な情報であり、statista.comのコンテンツを翻訳し、作成したものです。和訳版と原文(英語)に差異が発生した場合には、原文が優先します。更新頻度が異なるため、本ページで紹介したデータよりも新しいデータがstatista.com上に表示される場合があります。データの二次利用権に関しては、FAQの該当項目をご覧ください。


タグ
Eコマース インターネット ソーシャルメディア テクノロジー・電気通信 デジタル・テクノロジー
シェア

統計情報

グローバルなデータベースで統計とインサイトを検索


デジタル・テクノロジー

関連インサイト

無料トライアル

世界有数のデータプラットフォームを今すぐ無料でお試しください

詳しくはこちら
お問い合わせ

東京チームがあなたをサポートします

Statistaにご関心をいただき有難うございます。ライブデモのご要望、製品の内容、アカウントの種類や契約に関する詳細など、どうぞお気軽にお問い合わせください。日本語と英語での対応が可能です。

  • お見積もり、資料請求、その他ビジネスに関するお問い合わせ:sales.japan@statista.com
  • ログイン関連、パスワードのリセット、請求書などに関する一般的なお問い合わせ:asia.support@statista.com

水野 礼菜

スタティスタ・ジャパン株式会社

sales.japan@statista.com

月〜金 10:00〜18:00(日本時間)