2021年 オンリーファンズ・クリエイターの月収ランキング

2021年、アダルト系SNSの「オンリーファンズ（OnlyFans）」で最高月収を稼いだクリエイターは、米国のモデル兼タレントのブラック・チャイナ（Blac Chyna）氏でした。同動画プラットフォームから彼女が得た月収は、推定で2千万米ドルにのぼります。2位にランクインした女優兼クリエイターのベラ・ソーン（Bella Thorne）氏の月収は、推定1,100万米ドルとみられています。さらにラッパーのカーディ・B（Cardi B）が3位で、2021年に得た月収は934万米ドルであったと推定されています。 

オンラインポルノとクリエイター経済の交差点 

オンリーファンズは、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行による巣篭り需要を背景に、2020年に入って目覚ましい成長を遂げました。OnlyFansのWebサイトへのトラフィックは2021年末まで増加を続け、2022年1月には月間アクセス数が3,943万件に達しました。2016年に設立され、英・ロンドンに本社を置くオンリーファンズは、無料および定額でアクセスできる動画や画像コンテンツを提供しています。元々は、アダルト向けコンテンツを提供するために立ち上げられたサービスではありませんでした。しかし、コロナ禍で性風俗産業がオンラインに移行し、フリーのクリエイターたちがコンテンツ作成に活路を見出したことから、オンリーファンズは性的描写が露骨なコンテンツによって知名度を増していきました。同社は2021年3月、ポルノの禁止を発表しましたが、わずか数か月でこの声明を撤回しました。2022年には、オンリーファンズの純収益が世界全体で25億米ドルに達すると推定されています。 

クリエイターのための収益化ツール 

効果的なコンテンツの収益化は、クリエイターにとってだけでなく、オンラインプラットフォームの経済的成功や、市場における存在感の確立という点でも重要な役割を果たします。人々の関心を集めるコンテンツの作成に専念するプロやセミプロ・クリエイター達の存在は、ソーシャルメディア経済の根幹を成しています。オンリーファンズのようなホスティングサービスは、ユーザー生成コンテンツ（UGC）によって閲覧数を獲得し、広告の存在感を向上させています。2021年に実施されたデジタルコンテンツクリエイターを対象とした調査によると、6割のビギナークリエイターがコンテンツを収益化しておらず、コンテンツ収入が1万米ドルを超えると回答した人は10パーセント以下でした。収益化に成功していたニッチ・クリエイター（特定の小さなセグメントに焦点を当てたクリエイター）のうち、23パーセントが物的商品の販売で収益を得たと回答しています。また、非ニッチ・クリエイター（一般大衆に焦点を当てたクリエイター）にとって、アフィリエイトマーケティングも主な収益化手法のひとつであり、同グループの10パーセントがアフィリエイトで収益を得たと答えています。