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進化するAI技術と増加する関連投資および人材ニーズ

2023年4月4日 | 発行元 Statista Japan
スマートな鏡のコンセプト。鏡型のスクリーン上に表示されるさまざまな情報。
gorodenkoff via Getty Images
  • 米調査会社ガートナーの調査では、2021年の世界の人工知能(AI)ソフト関連収入は前年比14%増でしたが、2022年には前年比21%増の625億米ドルとなり、成長が加速しています。
  • AI関連の論文数では中国が2位の米国の約2倍以上の差をつけてトップとなっており、また論文の評価としても、他の論文の引用数で首位となるなど中国はAIの研究で存在感を強めています。
  • AIの新技術として生成AIと呼ばれる技術が注目を集めています。なかでも米オープンAI の「チャットGPT」は利用者が1億人を超え、マイクロソフトが数十億米ドル規模の追加投資を発表するなど脚光を浴びています。

人工知能(AI)は長い間人々にとって空想上の存在であり、過去にはSF映画のテーマでもありました。しかし、現在ではもはやフィクションではなく、人々の日常生活の一部となりつつあります。AIとは、コンピューターや機械が人間の知的・心理的振る舞いを模倣する能力のことで、多くの場合、過去の経験から学習して言語、判断、問題を把握し、それに対応する能力を備えています。コンピュータービジョンや会話型インターフェースなどといったAI機能は、さまざまな業界の標準的なビジネスプロセスに組み込まれるようになりました。AIの導入が顕著な業界は、先端技術・通信、金融サービス、医療・製薬などです。

AI技術について

現在のAIは、機械学習、ロボット工学、人工ニューラルネットワーク、そして自然言語処理(NLP)から構成されています。機械学習とはプログラムが既存のデータから学習し、その学んだ内容を新しいデータに適用したり、まだ存在しないデータを予測したりすることを指します。例えばロボット工学においては、機械学習がロボットの開発と訓練に用いられています。ロボットが人や世界と関わる場合では、通常は一般的なルールに従い行動するので予測が可能ですが、現在では、深層学習(ディープラーニング)を利用してロボットを訓練し、ある程度の自己認識を持って行動する試みも展開しています。AIの仕組み、動向、普及促進、用途の詳細については、「Statista In-depth Report: Artificial Inteligence 」(英文)をご覧ください。

AIに関する論文の数を国別で比較すると、1位の中国が2位の米国に2倍以上の差をつけており、論文の評価においても引用数で首位となるなど、中国は存在感を強めています。

このインフォグラフィックは、AIを信頼すると回答した国民の割合が多かった国をランキングで示したものです。
出典元:statista.com

AI関連投資と新興企業

世界のAI市場は、2021年時点で956億米ドル規模とされ、関連投資の活発化により成長を続けています。AIスタートアップ企業に対する世界の企業の年間投資額は2020年から2022年にかけて50億米ドル増加し2倍以上になり、その多くは米国企業の民間投資によるものでした。最近では、ヒトと機械のやりとりに焦点を当てる機械学習やチャットボットを手がける会社が、資金調達額の上位に名を連ねています。

米調査会社ガートナーの調査では、2021年の世界のAIソフトに関連する収入は前年比14%増でしたが、2022年には前年比21%増の625億米ドルとなり、成長が加速しています。

AI関連の仕事と代表的なAI導入事例

AI関連投資の増加と同時にAI人材へのニーズも高まっています。多くの企業がIT部門のほか、他の事業部門でもAI人材を募集しています。AI人材の採用の増加は、企業全体でAIや機械学習の導入事例が世界的に増加傾向にあることと密接に関連しています。

AIや機械学習の代表的な活用例としては、これまでの顧客体験の向上やニーズの発見などに加え、最近ではコンピューターによる絵や文章などの自動的な生成を可能にする生成的人工知能も注目を浴びています。中でも米オープンAIの「チャットGPT」は利用者が1億人を超え、Microsoft(マイクロソフト)が追加投資を発表しています。このような活用事例が増えていることから、今後さらにAIの普及が促進すると予想されます。


Statistaは、記載された情報の完全性および正確性に関して一切の責任を負いません。このページに掲載されているのは一般的な情報であり、statista.comのコンテンツを翻訳し、作成したものです。和訳版と原文(英語)に差異が発生した場合には、原文が優先します。更新頻度が異なるため、本ページで紹介したデータよりも新しいデータがstatista.com上に表示される場合があります。データの二次利用権に関しては、FAQの該当項目をご覧ください。


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