メジャーリーグベースボール(Major League Baseball、MLB)は、北米地域に本拠地を置く30球団で構成されるプロ野球リーグで、アメリカン・リーグ(ア・リーグ)とナショナル・リーグ(ナ・リーグ)の2リーグ制です。日本では「メジャーリーグ」や「大リーグ」とも呼ばれ、世界で最も人気があり、最も採算性が高いプロスポーツ・リーグのひとつに数えられます。
MLBフランチャイズの価値
MLBは、毎年数十億米ドル単位の収益を上げており、2022年には、1球団当たりの平均収益が3億4,400万米ドルに到達しました。MLBの収益は、放映権料やグッズ販売、入場料、スポンサー料などから生み出され、フランチャイズ(MLB球団の本拠地および試合の興行権のこと)の価値が大きく伸長する要因となっています。MLBフランチャイズの平均資産価値は、2004年時点で2億9,500万米ドルでしたが、2023年には約23億2千万米ドルに達したと見込まれています。
2023年時点で最も資産価値の高いMLB球団は、ニューヨーク・ヤンキーズ(New York Yankees)でした。同球団の評価額は、約71億米ドルに上っています。一方、評価額が全30球団中最低だったチームはマイアミ・マーリンズ(Miami Marlins)で、球団資産価値は2023年時点で約10億米ドルでした。
放映権と観客動員数の影響力
MLBの高い採算性にはさまざまな要因がありますが、代表的なのはテレビやメディアから得られる多額の放映権料です。TBS(ターナー・ブロードキャスティング・システム)、ESPN、FOXとの放映権契約は、2022年シーズンのMLBに大きな収益をもたらしました。
また、ソーシャルメディア(SNS)も、メジャーリーグの人気を支える重要な要素となっています。MLBの各球団は、フェイスブック(Facebook)やX(旧ツイッター)といった大手SNS企業と提携し、試合のライブストリーミングを行い、対戦のハイライトをファンに向けて発信しています。ニューヨーク・ヤンキース(New York Yankees)は、フェイスブックのフォロワー数が最多のMLB球団で、フォロワー数は2022年8月時点で852万人を超えていました。試合の観客動員数も、収益性に大きく関係します。2023年のMLBの平均観客動員数は2万9,293人で、総観客動員数は6,620万人となっています。
MLBの平均年俸
MLBでは、世界のスポーツ選手長者番付に名を連ねるアスリートが活躍する一方で、すべての選手が一定の収入を得られるように最低保証年俸が定められています。メジャーリーガーの最低保証年俸は、2022年時点で70万米ドルとなっており、2003年の30万米ドルから大幅に増えています。最低保証年俸を設けることで、年俸が低い選手にも適正な報酬を確保するのが目的です。
とはいえ、MLBのスター選手ともなると、その年収は天文学的な金額となります。2023年、を獲得したメジャーリーガーは、ニューヨーク・メッツ(New York Metz)のマックス・シャーザー(Max Scherzer)選手で、5,830万米ドルを受けとっています。なお、同年の年俸とスポンサー収入の合計が最も多かったメジャーリーガーは、ロサンゼルス・エンゼルス(Los Angeles Angels)の大谷翔平投手です。大谷選手が2023シーズンに収入は、7千万米ドルと推定されています。
また2023年9月、 MLBは2023シーズン ユニホームの売上ランキングを発表しました。ランキングトップの座に輝いたのは大谷翔平投手で、日本人として初の快挙を成し遂げています。売り上げランキング2位はアトランタ・ブレーブスのロナルド・アクーニャ( Ronald Acuña Jr.)外野手、3位はニューヨーク・ヤンキースのアーロン・ジャッジ(Aron Judge)外野手となっています。
MLBの人気
米本国におけるMLB人気は顕著で、ある調査では回答者の20パーセントが「メジャーリーグの熱心なファンだ」と答えています。またMLBは、世界一の人気を誇るスポーツリーグのひとつでもあります。世界的人気の背景には、さまざまな要因があります。たとえば、100年以上前にさかのぼる球団の豊かな歴史や、収益性に劣る地方都市の球団が裕福な大都市の球団と公平に競争できるように定められたコンペティティブ・バランス・タックス(選手の年俸高騰を抑制する罰則規定)、メキシコや日本を含む世界各国で配信されるメジャーリーグ中継の存在などです。MLBは世界中で広く愛され、最も成功したプロ・スポーツリーグのひとつとしての地位を確かなものにしています。
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