2024-07-19 | 発行元 Statista Japan
欧州連合(EU)内の電力卸売価格は、2021年から2022年にかけて急騰し、世界的なエネルギー危機が危惧される事態となりました。しかし、2023年以降は下落基調が続いています。価格高騰の主な要因としては、コロナ収束後の電力需要増加や天然ガス・石炭価格の上昇、気候変動による風力低下、干ばつによる再生可能エネルギー発電量の減少などが挙げられます。
天然ガスと石炭による発電は、2022年のEU諸国全体の発電量の約3分の1を占めました。そのため電力価格は、天然ガスと石炭の価格に大きく左右されます。欧州の天然ガスの貯蔵量が深刻なレベルにまで低下したことや、EU最大の天然ガス供給国だったロシアが、自国の不足した備蓄を補うためにその輸出を制限したため、EUの天然ガス価格は2021年および2022年上半期にかけて上昇を続けました。2022年には、ロシアのウクライナ侵攻が天然ガス供給の先行き不透明感を一層強め、価格上昇の主な要因となりました。
エネルギー供給不足が欧州全体を直撃するなか、各国における電気料金への影響は様々でした。EU諸国内で電力を輸入に最も依存するイタリアでは、2022年8月に電気料金が1メガワット時当たり540ユーロとEU圏内で最も高い国となりました。一方で水力と原子力による発電量が多くを占めるスウェーデンでは、同時期の電力価格の上昇は緩やかなものとなりました。
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