ガザ地区は、パレスチナ自治政府がヨルダン川西岸とともに治めている地域で、面積は365平方キロメートル(福岡市よりやや広い)あります。ガザには約210万人が暮らしており、世界で最も人口密度の高い地域のひとつに数えられます。地中海沿岸に位置する狭く細長い領土は、南部でエジプトと国境を接しており、イスラエルとガザを隔てる境界線に立つフェンスはイスラエル軍が管理しています。
イスラエル政府は、2005年にガザ地区からイスラエル人入植者とイスラエル軍を撤退させました。翌年のパレスチナ立法評議会(PLC)選挙では、ハマスが第一党に躍進。その後、パレスチナ人同士の内部抗争が激化し、2007年にハマスがガザ地区全域の掌握を宣言する事態となります。その結果、パレスチナ自治区は、ムハマド・アッバース(Mahmoud Abbas)大統領率いるファタハが統治する西岸地区と、ハマスが支配するガザ地区に事実上分断されました。
2008年以降、パレスチナ武装勢力のロケット弾攻撃を相次いで受けたイスラエルがガザ地区の封鎖を開始したため、ガザでは人や物資の往来が厳しく制限されてきました。
ガザの人口構成
ガザ地区は若者や子どもが多く、15歳以下が人口の大半を占めます。人口に占める割合が最大の年齢層は5歳~9歳で、合計で27万9,047人となっています。近年、ガザの出生率は減少傾向にありますが、世界的にみれば依然として高い水準を保っています。ガザの女性が生涯に産む子どもの数は、2000年代初頭は女性1人当たり6.2でしたが、2023年には3.38にまで減少しています。ガザの住民の平均寿命は、男性が72.97歳、女性が76.81歳となっています。
2023年のイスラエル・ハマス戦争
2023年10月7日未明に行われたパレスチナ武装勢力によるイスラエルへの攻撃によって、中東で暴力が再燃しました。ハマスは、イスラエル領内に2,200発以上のロケット弾を発射して民間の建物や軍用施設を破壊したほか、イスラエル南部に戦闘員を侵入させ、約1,200人の民間人を殺傷しています。その後、イスラエル軍はガザの空爆と地上侵攻を開始し、支援物資搬入のための1週間の一時的な停戦を経て、2023年12月1日にガザ地区への攻撃を再開しています。イスラエルとハマスは、2023年10月までに4度の戦争を繰り広げてきましたが、今回の戦争による犠牲者はすでに過去最多となっており、死者数は今後も増加する恐れがあります。
ガザ地区における人道状況
イスラエル軍とハマスとの軍事的衝突が激化する前から、ガザで暮らす人びとの人道状況は悲惨で、多くの人びとが食糧や住居の確保に苦労を強いられていました。電力供給は、イスラエルによって終日制限がかけられ、ガザへの物資の運搬もイスラエルとエジプトの管理下に置かれていました。2023年10月13日、イスラエル軍はガザ北部の住民に南部への避難を命じ、11月19日以降、推定190万人のパレスチナ人(ガザ全域の総人口の約82パーセント)が国内避難民となっています。避難民は今後も増加が予想されることから、予断を許さない状況が続いています。また、病院爆発や医療物資不足、医療へのアクセスの制限などは、ガザ地区における人道状況を悪化させています。 WHO(世界保健機関)は2024年1月、ガザで飢餓の危機が深刻化していることに加え、多くの人びとが命に関わる感染症の蔓延にさらされているとし、ガザへの人道支援物資の流れを根本的に変える必要があると警鐘を鳴らしています。
データに関する情報
国連人道問題調整事務所(OCHA)は、ガザにおける死者数と負傷者数に関するデータを収集しています。統計上では透明性確保のため、それぞれのデータソースを明示しました。戦争やその他の紛争の最中に客観的なデータを集めることはほぼ不可能であり、報告が推定値に基づいていることをここに明記します。それと同時に、紛争当事者のなかには、数字やデータを自らの意図のために選択的に利用する者がいることに留意が必要です。
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