1950年～2022年 世界の国際観光客到着数

世界の国際観光客到着数は、新型コロナウイルス感染症のパンデミック（世界的拡大）によって急降下した後、2022年に再び回復に転じました。同年の国際観光客到着数は、1年間で大幅に増加したものの、パンデミック前の水準には達しておらず、合計で約9億6,900万人となっています。コロナ禍が始まった2020年には、世界のインバウンド観光客到着数がおよそ4億7百万人にまで落ち込み、1989年の統計開始以来最も低い数値を記録しています。 

国際観光地として人気の欧州 

2005年以降、欧州は世界で最も国際観光客に人気の地域となっています。2022年、欧州へのインバウンド観光客到着数は前年比で大幅に増加しましたが、コロナ禍前の水準にはまだ戻っていません。国際観光客に特に人気があったのは南欧・地中海地域で、パンデミック前は3億人を超える観光客が訪れていましたが、2021年の観光客到着数は約1億3,900万人でした。 

新型コロナが世界の旅行・観光業に与えた影響 

世界各国がウイルスの拡大を抑制するために不要不急の旅行を制限したことで、旅行業および観光業は最も大きな経済的打撃を受けた産業の一つとなりました。StatistaのMobility Market Insightsによると、2020年の世界の旅行・観光市場における売上は減少し、前年比で約55パーセントのマイナスとなりました。なかでもクルーズとパッケージツアー部門は、2020年に最も深刻な収益減少を記録しています。