「鶏が先か、卵が先か」という因果性のジレンマを耳にしたことがある方は多いはず。では、「ポケモン(Pokémon)」はカードゲームが先か、ビデオゲームが先かご存じですか?『ポケモンカードゲーム(Pokémon Trading Card Game、TCG)』は、1996年2月に任天堂から発売されたゲームソフト『ポケットモンスター 赤・緑』から派生したトレーディングカードゲームです。当初、ポケモンカードゲーム(ポケカ)は日本国内のみの販売でしたが、米国に展開されて以来、世界的な大ブームを巻き起こしてきました。ポケモンカードの累計製造枚数は、2023年時点で529億枚以上に達しており、全世界89の国と地域で生産・販売されています。また近年、ポケモンカードの年間製造枚数は急激に増加しています。
『ポケモンカードゲーム』はゲームか、それともコレクターアイテムか
『ポケモンカードゲーム』が初めて発売されたのは、いまから遡ること約30年前です。しかし、最近ではコレクターアイテムとして価格が高騰しており、希少カードを大金で購入するポケカ愛好家が後を絶ちません。2023年時点で史上最も高値で取引されたポケモンカードは、「ポケモンイラストレーター」と呼ばれるカードです。「ポケモンイラストレーター」は、『月刊コロコロコミック』の誌上イベントに優秀な作品を提出した39人のみに贈られた希少なカードで、600万米ドル(2024年5月の為替レートで約9億3,700万円)という破格の値段で落札されました。
一方、カードの価値が上がったことで、国内では高額のポケモンカードを狙った窃盗事件が相次ぐなど、問題も起きています。2024年1月には、滋賀県草津市にあるトレーディングカード専門店で、ポケモンカード約350枚計約1,300万円相当が盗まれる事件が発生しました。希少なカードを狙ったこうした窃盗事件は全国的に発生しており、草津で盗まれたカードのなかには、1枚55万円の価値がある希少カードが含まれていたと報じられています。
カード収集は、トレーディングカードゲームの重要な要素のひとつですが、楽しみ方はもちろんほかにもあります。ポケモンカードゲームは、2人のプレイヤーがデッキと呼ばれる60枚のカードの束を1人1つ使って対戦する戦略型のゲームです。また、ポケモンカードのデジタル版『ポケモントレーディングカードゲーム(Pokémon TCG)ライブ』では、ネット対戦をバーチャル空間で楽しめます。2023年時点では、ポケモンTCG関連のイベントが動画配信サービスのツイッチ(Twitch)で開催されており、1日当たりの平均視聴者数は1,214人にのぼります。
任天堂の売れ筋商品1位
ポケカが任天堂ファンに人気の商品なのは間違いありませんが、任天堂はほかにもコンソールゲーム(コンシューマーゲーム)、ビデオゲーム、モバイルゲームなどを取り扱っています。任天堂のカードゲーム部門の売上高は2022年にピークに達したものの、収益額が最低の部門となっています。Nintendo Switchプラットフォーム部門は2018年以降、部門別での収益1位を維持しており、2023年の売上高は約113億米ドルに達しました。
ポケモン発祥の地である日本では、ポケモンカード人気が依然として衰えておらず、「ポケモンカード・ポケカ」という用語は、国内で最もグーグル(Google)検索されたネットショッピング関連キーワードのひとつになっています。ポケモンカードゲームは、任天堂にとって大きな収益源ではありませんが、2024年にも新たなカードデッキや拡張パックの発売が予定されるなど、今後の伸びに期待がもてそうです。
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