それぞれ独自の産業、労働市場、金融市場、資源、環境を持つ国家が形成する世界経済は、英国のEU(欧州連合)離脱(ブレグジット)のように一つの国の変化によって全体が影響を受けることがしばしばあります。しかし2020年以降、世界経済は2つの世界的危機により大きな打撃を受けています。1つは2020年に蔓延しはじめたCOVID-19(コロナウイルス)です。世界中の店舗が営業停止に追い込まれ、国によっては都市封鎖(ロックダウン)が行われるなど、世界的な不況が始まりました。そしてコロナウイルスの影響から徐々に経済が回復し始めた2022年2月には、ロシアのプーチン大統領がウクライナへの侵攻を開始し、エネルギー価格の高騰、サプライチェーンの分断、多国籍企業のロシア撤退などを引き起こしました。
国内総生産
経済規模のものさしとなる経済指標として多用されているものの一つが国内総生産(GDP)です。GDPは1年間に国内で生産された、すべてのモノとサービスの価値をあわせたものです。2020年のコロナウイルス以前にも、2009年のいわゆる「リーマンショック」、2015年の貿易の減退などで、落ち込んだ時期はありましたが、GDPは全体としては過去数十年間に渡り着実に成長しており、成長は今後も続くと考えられています。
2021年に最もGDPが高かった国は米国で、次いで中国、日本、ドイツと続きました。これらの「GDP大国」は今後も主要な経済圏で有り続けると見込まれていますが、高い経済成長率を見せているのは南半球寄りの国々です。また、GDPは通貨の為替レートによっても左右され、2つの国が同じものを生産していても購買力が高い通貨であればGDPは高く評価されます。これを比較する指標の一つとして、ビッグマック指数が挙げられます。
人口一人あたりのGDPを見ると、ルクセンブルク、シンガポール、カタールといった国が上位にランクインしている一方、ブルンジ、南スーダン、ソマリアが下位に並んでいます。2021年時点での世界の一人あたりのGDPは、約1万2,263米ドルでした。
失業率と上昇するインフレ率
2021年の世界の失業者数は約2億1,400万人で、2020年に比べて減少しました。2021年に最も失業率が高かった地域は、中東アラブ圏でした。
2022年10月時点の主要国の前年同月比インフレ率を見ると、最もインフレ率が高かったのは米国(7.7%)で、逆に最も低かったのは中国(2.1%)でした。2022年の世界のインフレ率は7%を超えると予想されています。これにはロシアのウクライナへの侵攻のほか、FRBの政策金利引き上げ、諸国がパンデミック中に提供した手当プログラムの終了など、複数の要因が絡んでいます。日本においては上記のような要因に加え、日本銀行がデフレ脱却のために続けている金融緩和策を継続する方針を維持したため円相場が急落し、輸入品への価格転嫁が行われていると報じられています。
貿易を見ると、中国はこの数十年の間に世界最大の輸出国となり、2021年の輸出額は3.4兆米ドルと米国の約二倍となっています。輸入額では米国が1位で、2位は中国、3位はドイツと続いています。
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