International Monetary Fund
資料名World Economic Outlook Database April 2024
公開日April 2024
調査期間October 2023
補注*Forecast.
2024-07-18 | 発行元 Statista Japan
インフレーション(インフレ)とは一般的に、「ある地域のモノやサービスの平均価格が継続的に上昇すること」と定義されます。世界のインフレ率は、1980年代と1990年代に極めて高い水準に達したものの、2000年代に入ってからは比較的安定しており、通常は年率3〜5パーセントで推移しています。インフレ率は、2008年のいわゆる「リーマンショック」の発生とともに急上昇しましたが、今日まで続くインフレ危機が2021年に始まるまでは、2010年代を通して比較的安定していました。
近年の動向
2020年の世界のインフレ率は、コロナウイルスによる経済への影響にも関わらず、3.25パーセントまで下落しました。しかしその後、サプライチェーンの分断による消費者物価への影響が出始め、さらにロシアのウクライナ侵攻が物価高騰を加速させたことから、2021年には4.7パーセントまで上昇しています。エネルギーや食料価格の高騰、コロナウイルスに伴う財政不安の高まり、消費者が抱く不安など、一連の問題は世界的な景気後退を招き、2023年の世界のインフレ率は6.9パーセントに達する見込みです。
ベネズエラの状況
ベネズエラはインフレ率が世界で最も高い国で、2022年には約200パーセントに到達したと予測されています。例年の世界平均を100倍以上超える数値ですが、ピークに達した2018年の6万5千パーセントからは低下しています。ベネズエラ政府は、2016年から2021年にかけて当時すでに高水準だったインフレ率への対策として過剰な歳出や貨幣の発行を行ったためにハイパーインフレーション(過度に物価が上昇する現象)を引き起こし、大量の国民が移民したことで史上最大規模の難民危機を招きました。ベネズエラは経済的な問題のほかにも、政情不安と外国からの制裁により、長期的な問題に直面しています。ハイパーインフレーションは収束に向かうかもしれませんが、それが経済にどれほどの影響を与えるのか、生活水準はどう変化するのか、今後どれだけの難民が戻ってくるのかなど、いずれも見通しが難しいのが現状です。
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